【おススメの本】ヨコミネ式から「子供のやる気」はどうやって引き出す?
子供には、別に無理してまで勉強しろ!とは言いたくない。
別に東大とか京大に行ってほしいとも思わない。
だけど、何か自分の「強み」を将来に向けて見つけて欲しいと思うし、学校で勉強するぐらいのことは人並みにちょいちょいとこなして欲しい・・・
というのが私・森野30代サラリーマン、二人の子持ちの親の切なる願いです。
そしてそのためには子どもに「やる気」をもってもらい、どんどん自分の好きなこと得意なことに挑戦していってほしいんですが・・・
じゃあその「やる気」をもってもらうために、
どうしたらいいのか?
前回こんな記事を書きました。
はい、プロゴルファーの横峯さくらさんの伯父・横峯吉史さんが提唱する「ヨコミネ式」です。
この本では横峯さんが提唱する「子どもをやる気にさせる4つのスイッチ」について詳細に書かれています。で、前回のおさらいですが、この4つのスイッチとは・・・
- 「子供は競争したがる」
- 「子供は真似をしたがる」
- 「子供はちょっとだけ難しいことをしたがる」
- 「子供は認められたがる」
でした。
横峯さんは長年子どもを育てきた立場から、実にうまくこの4つのスイッチを組み合わせた独自の教育プログラムを考案している。
ということで今日はこの「ヨコミネ式」の独特の教育プログラムから子を親が学べることを考えていきたい。
競争させることで子どもは伸びる、という考え方
まず最初はこちら。
「子供には競争させろ」という考え方。
先ほどのスイッチでいうと1番の「子供は競争したがる」ということ。
横峯さんの保育園では子どもに毎朝徒競走をさせ、先生たちが順位をきちんとつけているそうだ。
順位をつけることで当然一位になった子は喜ぶし、負けた子は悔しがる。
そして負けた子はその悔しさから、自分で練習をする子もいるそう。
そうなると・・・
走るのがそもそも苦手な子はどうなるの?ずっと負け続けてかわいそうじゃないか?という疑問が出てくるんだけど、そこを横峯さんはこんな工夫で対処しているという。
私たちは、子供たちの能力に合わせてハンディをつけて、徒競走をさせます。
例えば、5歳の子をスタートラインに立たせ、4歳の子はその5メートル前に立たせ、3歳の子はさらに5メートル前に立たせます。これで徒競走をさせれば、3歳の子でも、逃げ切れば5歳の子に勝つことができます。5歳の子は真剣に走らなければ、3歳の子に負けてしまいます。
出典:「ヨコミネ式子供が天才になる4つのスイッチ」横峯吉史 より
なるほど。ハンディをつけた上での競争、ということだ。
もちろん年齢差だけではなく、もともと足が速い子、遅い子もいるわけだからそこもハンディをつける。遅い子が少し速くなれたら、今度はハンディをつける。そんなやり方で競争をさせているらしい。
ここにはこんな意図もあるという。
何よりも大切なことは、足が速くなることではなく、「自分は足が遅いからダメだ」と思ってあきらめたりせずに、少しでも友達に追いつこうとして、向上心を持って努力をしていくことです。こうした態度が出てくれば、不思議なことに、かけっこだけではなく、勉強面でも伸びていくものです。
出典:「ヨコミネ式子供が天才になる4つのスイッチ」横峯吉史 より
「足が速くなること」が目的ではない。
向上心をもって努力する姿勢を身に着けてほしい、
ということですかね。
これは「子供は競争したがる」という特性を活かしたものかと思う。
そして、こうした大人の目の前で競争させることは、4番の「子供は認められたがる」というスイッチを入れることにもなるんだという。
そりゃそうかも。
だって、子供って大人に見てもらうの大好きですから。で、大人が認めてあげるととても嬉しそうな顔しますもんね。
大人が認めてあげることが、
子供の背中を後押しすることにもなる。
だからこうやっていろんなスイッチを組み合わせて、楽しく、真剣に子どもに学んでもらうことがその成長には大事なんだそうです。
「教材に合わせず、子供に合わせる」という考え方
もう一つ、この本を読んでいて面白いと思ったのは、
「ヨコミネ式」の独特の勉強の仕方だ。
横峯さんの保育園では、子供たちに「読み・書き・計算」の勉強を1日20分ずつやってもらっているという。
そしてその教材が独特のものなのだ。
この保育園では2歳とか3歳ごろから文字の勉強を始めるようだが、まず文字を覚えるといったら、ふつうひらがなから「あ・い・う・え・お」といきますよね。
でもそうではないらしい。
まず教えるのは、漢字の「一」から。
え!と思いませんか。その理由は・・・
カンタンだから!
次は縦棒1本の「1」を教え、
その次は横棒と縦棒を組み合わせた「十」。
その次には横棒を2本書くカタカナの「ニ」。
「ニ」に縦棒1本加える「エ」と、
とにかく、
子供の書きやすさを重視して文字を教えていくのだそう。
これはスイッチ3の「子供はちょっとだけ難しいことをしたがる」という特性を活かしたものだという。
さらに文字を覚えるといっても2歳児ではその意味がわかるわけはないので、まずはお手本をなぞって真似てもらう、という敷居の低さからはじめていくんだとか。
これもスイッチ2の「子供は真似をしたがる」という特徴を考慮したものだそう。
さらにここでは子どもたちが順番通りに勉強しなくても・・・
全然いい、という考え方みたい。
別に「一」を書いたあと、「エ」にいってもいいし、という考え方のようだ。
例えば、ある子は、1ページから、2ページ、3ページ、4ページ、5ページと順番にやっていくと、できるようになっていくかもしれません。しかし、別の子にとっては、3ページ目がとても難しく、それよりも4ページ目、5ページ目のほうが簡単にできる場合もあります。
そのときに、無理に3ページ目をやらせようとすると、子供は勉強が嫌になってしまいます。飛ばして、4ページ目をやってもらえばいいのです。
出典:「ヨコミネ式子供が天才になる4つのスイッチ」横峯吉史 より
あくまで、子供が楽しく、取り組みやすいところから勉強に取り組ませる。
この「子供のことを考え」、「子供にあったもの」を提供しようとする考え方はいいと思う。
この仕掛けを考えることこそが、大人の役割。と僕なんかは思うので、横峯さんの「子供本位」で考えてあげる、姿勢には好感がもてる。
子育ての目的って何だっけ?
とまあ、「ヨコミネ式」は横峯さんが長年子どもを見てきた経験から、いろーーんなノウハウが詰まっているので、興味がある方は本書を読んでもらうのが一番。
なんだけど、
みなさん、そもそも「子育ての目的」って何だと思いますか?
人それぞれの答えがあると思いますが・・・
多くの人は「子供の自立」をあげるのではないでしょうか。
じゃあ子供が自立していくためには、どんなことが必要なのか?
横峯さんの意見を引用させてもらうと・・・
人間が自立をするために必要な力は、「学ぶ力」「体の力」「心の力」の3つです。
第一に必要な力は「学ぶ力」です。学力という言葉は、文字どおり「学ぶ力」のことだと私は解釈しています。「読み・書き・計算」の基礎学力は、文明社会を生きていくうえで必須のものです。また、スポーツや音楽や芸術の分野でも、「学ぶ力」は大切です。「学ぶ力」さえあれば、どんな分野のことでも能力を高めていくことができます。
出典「ヨコミネ式子供が天才になる4つのスイッチ」横峯吉史 より
まずは「学ぶ力」。
これはそのとおりですねーーーー。
「学びたいという気持ち」「勉強しようとする姿勢」。そこからはじめて自分で「考える力」というのも身についていく気がする。
この気持ちさえ強くあれば人は成長できるし、この気持ちがないと逆に先が見えない。
それぐらい大事な力だと森野も思う。
二つ目の「体の力」は、ある程度の体力と運動神経。
もう一つ、大事なのが「心の力」。
東大や京大を出ていても、突然リストラされたり、不遇な状況に追い込まれたりすることもありえます。プロスポーツ選手でも、少し成績が落ちただけで解雇や契約解除されることもありえます。そのようなときにくじけてしまっては、せっかくの「学力の高さ」や「運動神経の良さ」を生かすことができなくなってしまいます。
壁に当たっても、困難な問題が出てきても、自ら乗り越えていこうとする「心の力」はとても重要です。「心の力」をつけるには、甘やかさない子育てが必要になります。
出典:「ヨコミネ式子供が天才になる4つのスイッチ」横峯吉史 より
いわば「メンタルの強さ」。
僕もそんなにメンタルが強いほうではないので、この「メンタルの強さ」は子供にはぜひ身に着けてほしいと思う。人生の中で、いろんな逆境ってやっぱりありますからね。僕のようなサラリーマンでも毎日思いもよらないことが起きて、あたふたしっぱなしですから。
「メンタルが強い」人は、それだけで一つ大きな武器をもっているといってもいい。
で、タフな子どもを育てるには「甘やかさない」という親の姿勢が重要なようだ。
「甘やかさない」・・・
難しいですが一つヒントになるかなあと思うのは、前回の記事で書いた「褒めるのではなく認める」という大人の態度にあるかなあと思いますね。
大人と子供、年は違い立場も違うけど「上から目線」で子供を扱うのではなく一人の人間として認める。そういう大人側の意識の持ち方が大切な気がするのです。
まとめ
「ヨコミネ式」の教育法を読んで、思ったことをまとめておきます。
- 子供には「やる気になるスイッチ」を組み合わせ、育てていく
- 子供がやる気になる仕掛けを親は考える
- 子育ての目的は「自立」。学ぶ力」「体の力」「心の力」を育む子育てをする
- 決して甘やかさない
忙しい中でこうやって子どもと向き合うには、やっぱり「日々の対話」が大事です。子どもが何を考え、何を感じているのか、その子供の意見や気持ちをしっかりと親が受け止め、そこから子供が一歩ずつ前に進める方法を考えてあげる。
そんな「子供のことを第一に考える子育て」をしていきたいなあと改めて思いました。
今日はこのへんでおしまい。