【おススメの本】「ヨコミネ式子育て」の”やる気を入れるスイッチ”とは?
日々子どもを育てているお父さん、お母さん。
子どもたちに健やかに成長してほしいと思う気持ちは、どの親にも共通する気持ちではないかと思います。
そして願わくば、自分の子どもたちには学校生活から落ちこぼれることなく、上手に乗り切ってほしい、そしていい人生を歩んでほしい。と誰もが思っていることでしょう。
なので、森野も「子供の教育法」にはいろいろと目が行ってしまう。
で、ちょっと前にテレビで流行った
「ヨコミネ式」。
保育園に通う子供が、元気に跳び箱を飛んだり、裸足で走ったり。
かと思えば、
まだ小学校に入学する前の子どもが、
そろばんで難しい計算問題を解いていたり、
小学校入学までに2000冊の本を読んでいる!?
というのを見てえらくびっくりした覚えがある。
「ヨコミネ式教育法」。
みなさんご存じプロゴルファーの横峯さくらさんの伯父の横峯吉史さんが、自身が経営する鹿児島の保育園で始めた独自の教育法である。
その教育法がいいのか、悪いのか?
森野は教育の専門家ではない。なので、その是非については何とも言えないーと思いつつ、でも二人の子どもを育てる親として子の教育は気になるものだから・・・
この本を読んでみた。
で、思った結論。
理念はとてもよくわかる。
ああーー、確かにそうだよな、と。
という感じ。
この教育法自体がいいか悪いかは別として、子供を長年見てきた横峯さんの視点というのはみなさんの役に立つだろうなと思ったので、今日はこの本から、森野が感じたことをレビューしていきます。
まずはテレビでも紹介された「ヨコミネ式」の実績から
そもそも「ヨコミネ式」なんて知らないよ!
という方のために。
まずは「ヨコミネ式」の実績から。
横峯吉史さんは鹿児島県の志布志(しぶし)というところで保育園と学童の保育施設をいくつか経営している。もう30年以上も子どもたちを見てきたベテランだ。
そんな横峯さんが提唱し全国的に広がっている「ヨコミネ式」。
本にはその実績というか、「こんな風に子どもが育つ!」ということが書いてあるので、いくつか抜粋してみると・・・
- 小学校入学までに、平均2000冊の本を読破
- 3歳でひらがな、カタカナの読み書きができる
- 5歳で小学2年生が習う漢字をマスター
- 九九の歌を二歳で覚え、小学校卒業までに暗算1級合格
うん、すごい。
そして勉強だけではない。横峯さんは運動や音楽にも力を入れている。
- かけっこは5歳児平均で小学2年生レベル
- 跳び箱は5歳児(年長)のクラスがみんな10段以上跳べる
- 4歳で全員が絶対音感を身につける!
など、ほんまかいな!と疑ってしまうほど、この「ヨコミネ式」の元では子どもたちは驚くべき成長を遂げるという。
じゃあ、そんなすごい子どもたちにどう育てていくのか?
というのが気になるところ。
子どもはみんな天才!「やる気」のスイッチを入れるコツ
この本を読んでまず共感したのは「子どもはみんな天才」と言い切る横峯さんの姿勢。
「子どもはみんな天才」。
そう思うよ、僕も。
子供の能力にはよく驚かされる。
うちの上の子は小学生だけど「ダンス」がとても得意。
僕も妻もオンチだしそんな素地はまったくないのに。。。。
不思議なものだ。
学校の勉強も、神童レベルではまったくないが、時々「おっ!」って親も思わずうなるような考え方をすることもあって、驚かされることが多々ある。
その成長ぶりを見ると、素直に「すげーーな」と思う。
そんな子どもを育てるコツは一つ!!
「やる気のスイッチを入れてあげること」
だと横峯さんは断言する。
そしてそのスイッチの入れ方は子どもの4つの特性を理解すればいいという。
- 「子供は競争したがる」
- 「子供は真似をしたがる」
- 「子供はちょっとだけ難しいことをしたがる」
- 「子供は認められたがる」
スイッチ1「子供は競争したがる」
これ、今の学校教育では回避されがちなワードだけど、僕はこの考え方は基本的に賛成。子供はちょっとのことでも友達と競争したがる。
学校帰りに一緒に歩いているのに突然、競争しだすとか。
ひょんな、なんでもないことから「戦いごっこ」するとか。
もうそんなのばっかり。
そうやって何かにつけ「競い合う」のは、
子どもの本能だなと思う。
横峯さんはこう言っていますね。
しかし、子供たちの競争というのは、もっと純粋です。できる子に憧れ、「自分もあの子のようにできるようになりたい」と思えるのが、幼稚園児・保育園児たちの持っている競争心なのです。
子供は、友達に負けると、涙を流して悔しがります。しかし、だからといって負けた相手に対して「あいつを引きずり下してやろう」というような気持ちを抱いたりはしないようです。負けた相手を、恨んだり、ねたんだりするどこから、その子に憧れの気持ちを持ち、尊敬の念すら抱いているようです。
出典「ヨコミネ式 子どもが天才になる4つのスイッチ」横峯吉文 より
確かに、子どもって小さければ小さいほど「妬み」の気持ちってないですよね。
うちもよく「●●ちゃんはこんなこともできるんだよーー」とかうれしそうに報告してくれたりもするし。
だから、その「子供の競争心」を上手に活かす教育をするのが大事だと。
こういうことなんですね。
スイッチ2「子供は真似をしたがる」
これもそうだよなーーと思いますね。
親のすること、友達のすること、何でもマネをして自分の中に取り入れいていきますよね。この本ではこんな印象的な言葉がありました。
子供は、お父さんの真似、お母さんの真似をすることが大好きです。ままごとをさせれば、女の子たちは、自分のお母さんがしゃべっているのと全く同じようにしゃべっています。~中略~
この真似をしたがるというスイッチをうまく使うと、子供は不思議なほど成長をしていきます。何をやらせるときにも、上手にできる子の姿を見せると、すぐに真似をしようとします。「成長したい」「自分もできるようになりたい」という欲求があるために、その子の真似をして、自分もできるようになろうとするのでしょう。見本を見るだけで、それまでできなかったことが突然できるようになる、という不思議なこともしょっちゅう起こります。
出典「ヨコミネ式 子どもが天才になる4つのスイッチ」横峯吉文 より
このあたりは、多くの親御さんが日常の中で感じていることだと思う。
スイッチ3「子供はちょっとだけ難しいことをしたがる」
子供は「ものすごく難しいこと」はやりたがりません。でも、「ちょっとだけ難しいこと」だと、挑戦したがります。
跳び箱を1段しか跳べない子の前に、10段の跳び箱を置いておいても、挑戦しようとはしません。手の届かないことには、まったく興味がなく、やろうという気にすらならないようです。
でも、1段跳べる子たちの目の前に、2段の跳び箱を置いておくと、いつの間にか、それを跳ぼうとする子が出てきます。まったく手の届かないことは、やりたくないけども、ちょっとだけ難しいことだと、挑戦したくなるようです。
出典「ヨコミネ式 子どもが天才になる4つのスイッチ」横峯吉文 より
この「ちょっとだけ難しいこと」というのは、子供がステップアップしていくためには必須だと思います。なぜなら「課題に挑戦してクリア」していくことこそが、子供の成長になるから。
そのためには「これはちょっとだけ頑張ってみれば、もしかすると出来るかも」という期待感をもって子どもに挑戦させるものがあるといいと思う。
うちの子も見ていてもそう。確かに漢字練習とかの宿題はあまり乗り気ではないみたい。それは単なる暗記の作業になってしまい、チャレンジでもなんでもないので。
それよりも、ちょっとレベルアップした計算問題とか、国語の読解とかのほうが好き。それはやっぱり子供の中に「挑戦して、クリアしたい」という欲求があるからではないかなと思う。
スイッチ4「子供は認められたがる」
これは僕がそうだったなーーと、幼少時代を振り返ったときに思うこと。自分は親に育てられたときにあまり褒めてもらった記憶がないので、子供がチャレンジしてできたことは最大限「ほめてあげる」よう気を付けている。
だって大人に認めてもらえると、
子供はうれしいものだから。
と思っていて、この本を読んだら、気になるフレーズがあった。
子供は認めてもらいたがっています。認めてあげると、子供のやる気のスイッチが入ることがよくあります。
では、認めてあげるとはどういうことでしょうか。
簡単に言えば、いつまでも「赤ちゃん扱い」しないで、「お兄ちゃん扱い」「お姉ちゃん扱い」をしてあげるということです。~中略~
世の中では「ほめて育てることが大切だ」と言われていますが、私は、あまり賛成できません。ほめることよりも、認めてあげることのほうが重要だと思っています。
ほめてばかりいたら、子供はそれに慣れてきてしまって、うれしくなくなってきます。たまにほめられるからうれしいのであって、頻繁にほめられていたら、マンネリ化してきて、新鮮さがなくなり、うれしくもなんともなくなってくるものです。
出典「ヨコミネ式 子どもが天才になる4つのスイッチ」横峯吉文 より
ここでは「褒めてあげる」ことと「認めてあげる」ことの違いについて触れられている。
僕は「褒めて」しまっているーーー _| ̄|○
確かになあ。
褒めることは確かに子どもを「下に見ている」感じもあって、多少の違和感があったのも事実。「褒め過ぎ」が「甘やかし」にならないようにしないとなと。もううちの子も小学生なので、単に「褒める」のではなく「認めてあげる」ということが必要なのかもしれない。
じゃあ、「認める」ってどういうことなの?
うちの園では、跳び箱を10段跳べてもほめません。そのかわりに、必ず認めてあげます。初めて跳び箱を10段跳べた子は、認めてほしくて、私のほうを見ますから、「お兄ちゃんなんだから、10段くらい跳べて当たり前だよな」という目で見て「よしっ。合格!」「オッケー」などと言います。「さすが、お兄ちゃんだ」という目で見てあげて、うなずくだけのときもあります。それだけでも、子供は「認めてもらった」と思って、うれしそうな顔をしてくれます。そして、次は11段に挑戦します。
出典「ヨコミネ式 子どもが天才になる4つのスイッチ」横峯吉文 より
なるほど。
これぐらいがちょうどいいのかもしれない。
大事なのは子供の「承認欲求」のシグナルに対して、大人が受け止めてあげることなんだろう。それをわざわざ「褒める」というリアクションをとらずに、「うん」と頷くだけで子どもはわかってくれる。
この子どもとの微妙な「距離感」はけっこう大事だな――と思いました。
まとめ
ということで、この本は「子供はみんな天才だ!」という立場に立って「じゃあ、どうやって子供をその気にさせて物事に取り組んでもらうか」を大切にしている。
そのときに重要なのが「子供をやる気にさせる4つのスイッチ」。
- 「子供は競争したがる」
- 「子供は真似をしたがる」
- 「子供はちょっとだけ難しいことをしたがる」
- 「子供は認められたがる」
ということでした。
僕は別に教育者でもなんでもないただの普通の親なわけだけど、子供に対して、
無理に何かをさせる
ということだけは絶対にしたくない、と思っている。
そのために子供には「自分で何かを選び取っていく力」が必要だと思っているので、この横峯さんの子どもの特性をよーーく理解した上で「子供をやる気にさせる」というそのアプローチ自体は賛成である。
そして上に書いたスイッチをどう組み合わせて子どもの教育プログラムを作るのか?というところまで本書は踏み込んでいるが・・・
それは長くなってきたので次回にて。
今日はこのへんでおしまい。