現代日本で「サバイバル」を考える!オススメの本・マンガ5つ
あなたが、もし、天変地異が起きた
日本で身一つで放り出されたら・・・
どうやって生きていきますか?
こんな問いは、
今の日本においてはあまり意味をもたないのかもしれない。
だけど、5年前に起きた東日本大震災、
毎年のように起きる各地の水害などを見ていると、
もうこれは他人事でもない気がする。
僕・森野は、昔から、
「人が極限状況に陥ったとき、どのように生きていくのだろうか?」
という問いに興味があった。
そこで、誰もが手に取りやすい本やマンガを読み、
自分の置かれた状況を考えてみる。
もしこの世界が一変してしまったら・・・
どう生きていくか?
そんなことをずっと繰り返し考えてきた。
ということで今日は、
森野がオススメするサバイバル本を、
独自の視点からお届けしたい。
あ、アウトドアの本とかは一切入っていないので、よろしく。
「自殺島」 森恒二
あらすじはこんな感じ。
(出典:「自殺島 official web site」http://www.younganimal.com/jisatsutou/ より)
さまざまな理由で自殺しようと思ったけど、
死に損なった若者たち。
そんな若者たちが人知れない無人島で目を覚まし、
わけもわからないまま、
島での暮らしを模索しながら、成長していくストーリー。
島に流れ着いた若者は多数。
そんな彼らが仲間を見つけて、
漁撈、狩猟、農業まで営みながら、
生きる術を模索していくのだが・・・。
そこには当然、悪者もいて・・・
このマンガの主人公は「セイ」という
弱弱しい男の子。
序盤はこのセイが所属するグループが、
どうやって食料を確保しながら、
島で生き延びていくか?というところで
ストーリーが進んでいたのだが、
中盤から新たな展開を見せる。
それが、
このサワダという悪者が率いるグループとの対立である。
(出典:「自殺島 official web site」http://www.younganimal.com/jisatsutou/ より)
この「自殺島」は、
セイたちが所属するグループVSサワダグループの、
縄張り争いというところで
今は展開しているのだが・・・
随所に書かれている
サバイバルの知識が面白いんですよ!
山にいるシカを弓矢でどうやって仕留めるか、
人間にとって生命線の水をどう確保するか、
農作物はどう育てるのか、
こうした知識が満載の本である。
マンガのストーリーと合わせて、
おススメできる作品だ。
「サバイバル」 さいとうたかを
サバイバル 文庫 全10巻+ 外伝 完結セット (リイド文庫)
- 作者: さいとう・たかを
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2010/11/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 3回
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あの「ゴルゴ13」のさいとうたかをさんの名作である。
1976年から78年までの連載というから・・・
なんとおよそ40年前に書かれていたマンガ!
ということになる。
だけど・・・
今でも超面白い!!
あらすじは至極単純。
友達と洞窟探検をしていた主人公・鈴木サトル。
その最中、突如、大地震がやってきてサトルだけが、
命からがら洞窟を脱出する・・・。
が、周りを見渡すと・・・
陸続きの大地が水で割かれ、
周囲は海に囲まれた島に。
孤立無援の中、何とか生き延びようと、
まさにサバイバル生活が始まる。
というストーリー。
これは僕らがもし同じような境遇に陥ったときの、
まさに教本となりうる一冊。
サバイバルなぞ未経験の鈴木少年が、
何とか生き延びようと、寝床を作ったり、その日食べる食料を確保したり。
現代人が、日々自然の中で生きていくことがいかに難しく大変か。その過程を僕たちが逐一追体験できる、サバイバル教本と言ってもいい作品になっている。
僕はこのマンガを読んで、
ネズミの怖さを知った・・・。
こちらもぜひオススメしたい作品である。
「サバイバル!」 服部文祥
続いては新書から1冊。
みなさん「服部文祥」という男をご存じだろうか?
「サバイバル登山家」という、
独自の登山スタイルでスポーツ・ノンフィクションの新たな地平を拓き、注目を集める登山家だ。その「サバイバル登山家」を読みやすく新書にまとめたのがこちら。
じゃあ、「サバイバル登山」って何か?
携帯電話、テントなどは持って行かず、最低限の装備で山で何泊もしながら、
登山をしていくスタイルらしい。
食料も最低限の米程度。まさに山で自身「サバイバル」しながら、目的のルートをたどっていく。川の魚を釣り、野草を食べながら、登山道ではなく獣道をあえて選び登山していく著者の姿は・・・
かなり変わっている(笑)
この魚を食いちぎる絵を見よ!!
こちらは、毛皮をかぶっている!!
「はじめの一歩」の鷹村なみ!
もうわけがわからん!!
・・・・
ややもとに話を戻すと、
この本が面白いのは、
この珍奇な「サバイバル登山」という登山スタイルにトライしていきながら、
「人はズルなしで生きられるのか」
ということを著者が真剣に考えていくところだろう。
僕らはとかく「便利に、早く」を追い求めがちだけど、
彼からすると、そうした生き方は自分の力でやったことなのか?と疑問が残る。
たとえば、牛や豚などの獣の肉もそうだ。
僕らはもちろんスーパーで加工されたものを買う。
たぶん人生で一度も、とさつ場を見ないまま一生を終える。
牛や豚がどうやって解体され、食肉となって、スーパーに並ぶのか、
知らないまま一生を終える。
だけど、彼は猟銃の免許をとり野生のイノシシや鹿を狩りにいく。
しとめた獣を自分で解体して食べてみる。
しごく面倒くさい男なのだ(笑)
だけど、そこに「生きる」ことの大切なことが含まれていると、
本書を読むと気付かされるだろう。
「ザ・ロード」 コーマック・マッカーシー
- 作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/06/17
- メディア: ハードカバー
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サバイバルを考えていく中で、思い浮かんだ小説がなぜかこれだった。
現代のアメリカ文学を代表する超メジャー作家、コーマック・マッカーシーのピューリッツァ賞受賞作。
カタストロフィーが訪れた死の世界で、父と幼い少年がたった二人で南への道をたどっていく。ただその旅の様子を描いているのだが・・・
切なくなる度がハンパない・・・
あらすじを本から引用するとこんな感じ。
空には暗雲がたれこめ、気温は下がりつづける。目前には、植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われて廃墟と化した世界。そのなかを父と子は、南への道をたどる。略奪や殺人をためらわない人間たちの手から逃れ、わずかに残った食物を探し、お互いのみを生きるよすがとしてー。世界は本当に終わってしまったのか?現代文学の巨匠が、荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を描きあげた渾身の長編。ピュリッツァー賞受賞作。
僕がこの主人公の父親だったら、子どもをこの世界で守れるだろうか?とか、
子どもと二人の絶望的な旅に希望を持てるだろうか?とか、
そういったことを思わずにはいられない。
かなり読み手として、親としての精神性が試される小説だ。
まさにその意味では、
子どもをどうやって守るか?ということを突き付けられるサバイバル小説である。
この本で訪れるのが、絶望なのか?希望なのか?
それは本書を手に取り読んでいただきたい。
「逮捕されるまで 空白の2年7か月の記録」 市橋達也
この本は2007年、千葉県市川市で英会話学校講師、リンゼイ・アン・ホーカーさんを殺害した市橋達也受刑者の逃走の記録である。
市橋受刑者本人が書いている。
市橋受刑者が無期懲役の刑が確定する前の2011年1月に幻冬舎から出版された。
刑が確定する前に手記が出版されたというのはかなり異例のことらしく、
大きな話題を呼んだ。らしい。
なぜ、殺人犯の手記がサバイバルを考えることになるのか?
この本では、市橋受刑者がリンゼイさんを殺害後、逃走した2年7か月の記録をつづっている。警察や人々の目を逃れ、彼は日本各地を転々としていくのだが・・・。野宿をしたり、食料を確保したりするその姿がまさにサバイバルなのだ。
彼は一時、沖縄の離島に身を潜め、テント暮らしをする。
海でウニや貝などをとったり、農作物を育ててみたり。
自然の中で自給自足の生活もしたりして、サバイバル読本としての読み応えもある。
この本に関しては、
先日、こちらにレビューを書いた。
興味ある方は、こちらを読んでいただきたい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
マンガや本の設定は、もちろん完全なるフィクションです。
だけどこうしたものを読むと、
いかに自分が物を自給しない暮らしになっているか、
ということにいやおうなく気づかされます。
そして、身一つで放り出されたときに、
生き抜いていけるのか。
と問われると・・・・??
難しいですね。
なので、森野は最近キャンプなどをして自然の中で暮らしてみることをたまーに体験しています。これもやってみると、いろんなことが勉強できますね、ホントに。
などなどを考えるきっかけとして、
この5つの作品をオススメさせてもらいました。
今日はこのへんでおしまい。