伝説の”レインボースーパーざかな”

好きな本や音楽のこと、日々の暮らしを気ままにつづる雑記ブログ。

イノベーション精神を学ぶのに、司馬遼太郎を使え!オススメの5冊

 

世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)

世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)

 

 

アップルの

スティーブ・ジョブズ

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フェイスブックの創業者、マーク・ザッカーバーグ

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そして、ピーター・ティール。

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世には「イノベーター」と呼ばれる

創業者が数多くいるけれど・・・

 

イノベーションの精神を学ぶんだったら・・

 

日本にはシバリョーがいる!!!

 

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司馬遼太郎です。

 

僕は司馬遼太郎の作品が好きで、

これまで大方のものは読んできた。

 

司馬遼太郎の魅力は何だろうか?

 

なぜ僕は昭和の作家の彼の本に、

今も魅せられているのだろうか?

 

その作品の魅力・・・

 

それはズバリ、

 

彼は「人のイノベーション」を

描いているところ。

 

歴史上の人物が、

なぜ、そこで、その時、

日本の歴史を変えるような、

イノベーションを起こせたのか?

 

限りある史料の中から、

彼なりにそのすべてを描こうと奮闘している。

 

だから面白い。

 

ということで今日は僕が、

司馬遼太郎先生の数ある著作の中で、

個人的に特にオススメな「イノベーター」たちの本を

ランキングでご紹介。

 

ぜひお付きあいください。

 

一応、司馬遼太郎のことを知らない人のために

著者紹介から。

 

司馬 太郎(しば りょうたろう、1923年大正12年)8月7日 - 1996年平成8年)2月12日)は、日本の小説家、ノンフィクション作家、評論家。本名、福田 定一(ふくだ ていいち)。大阪府大阪市生まれ。筆名の由来は「司馬遷(はるか)に及ばざる日本の者(故に太郎)」から来ている。

産経新聞社記者として在職中に、『梟の城』で直木賞を受賞。歴史小説に新風を送る。代表作に『竜馬がゆく』『燃えよ剣』『国盗り物語』『坂の上の雲』など多くがあり、戦国・幕末・明治を扱った作品が多い。『街道をゆく』をはじめとする多数のエッセイなどでも活発な文明批評を行った。

出典:Wikipedhia「司馬遼太郎」より 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B8%E9%A6%AC%E9%81%BC%E5%A4%AA%E9%83%8E

 

へえーー、そうなんですね。

司馬遷にはるかに及ばない日本人」・・・

だから司馬遼太郎

 

5位:「世に棲む日日」

 

世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)

世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)

 

  

幕末、長州藩は突如、倒幕へと暴走した。その原点に立つ吉田松陰と弟子高杉晋作を中心に、変革期の人物群を鮮やかに描き出す長篇

担当編集者より
嘉永六(1853)年、ペリーの率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕か、をめぐって、国内には、激しい政治闘争の嵐が吹き荒れる。この時期骨肉の抗争をへて、倒幕への主動力となった長州藩には、その思想的原点に立つ吉田松陰と後継者たる高杉晋作があった。変革期の青春の群像を描く歴史小説全四冊。
出典:文藝春秋HPより引用 http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167663063

 

明治維新の立役者・長州藩を率いた高杉晋作

その師・吉田松陰の物語。

 

前半は松陰が主体となり、

松陰が安政の大獄で処刑されてからは、

その師の心を受け継いだ高杉晋作が、

討幕運動を起こし、

藩や幕府に様々なクーデターを仕掛けていく。

そんな二人の人物からなる物語だ。

 

この本でイノベーティブなのは、

まずは松陰の「思想」だろう。

 

当初は当時の多くの武士たちと同様、

尊王攘夷」を掲げ、

他国の脅威は断固排斥すべし、だった松陰が、

欧米の近代的な軍備にショックを受け、

そこからアメリカやイギリス、列強の軍備を

何とか学び取り入れようとさまざまに活動する。

 

ペリーの黒船に単身乗り込み

アメリカに渡りたいと直訴したぐらい。

(結局却下され、投獄されてしまうのだけど)

 

尊王攘夷一色の中で、

欧米の軍備をいち早く取り入れようとし、

そこから欧米列強に対抗していくという思想は

当時としては、きわめて異端だった。

 

そのイノベーターの精神を受け継いだのが、

松陰の私塾・松下村塾で教えを受けた

高杉晋作である。

 

この高杉晋作

イノベーティブな男だった。

 

当時、武士だけの特権階級だった軍隊の常識を覆し、

民兵を取り入れたゲリラ部隊「奇兵隊」を結成。

長州藩内の反高杉派に対し、

クーデターを決行し見事勝利する。

 

そして、長州藩は一挙に、

討幕運動の雄藩へとかじを切っていくのだ。

 

松陰がまず思想を形成し、

高杉が行動に移した。

 

そうともとれる師弟の物語。

 

僕はのちに伊藤博文が高杉を評した言葉

「動けば雷電の如く 発すれば風雨の如し」

が大好きである。

 

動くときは、

とことん素早くスピーディに。

 

これってよく起業ものの本で見る言葉じゃないですか?

 

第4位:「新史 太閤記

 

新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)

新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)

 

 

日本史上、もっとも巧みに人の心を捉えた“人蕩し”の天才、豊臣秀吉。生れながらの猿面を人間的魅力に転じ、見事な演出力で次々に名将たちを統合し、ついに日本六十余州を制覇した英雄の生涯を描く歴史長編。古来、幾多の人々に読みつがれ、日本人の夢とロマンを育んできた物語を、冷徹な史眼と新鮮な感覚によって今日の社会に甦らせたもっとも現代的な太閤記である。

出典:新潮社HPより http://www.shinchosha.co.jp/book/115210/

 

戦国時代、織田信長にその才能を見出され、

彼の死後、天下統一を果たした豊臣秀吉の一代記。

 

秀吉がいかに頭のよい人物だったか、

その知略を存分に堪能できる良書である。

抜群に面白い。

 

秀吉の何がイノベーティブだったか?

 

僕が本書を読んで一番に思ったのは、

「城の奪い方」である。

 

秀吉以前、

「城獲り」は戦の中で、

戦って落とすものだった。

 

よく城を落とすには、

城内の守備兵の何倍もの兵力が必要だと

言われる。

 

そこに秀吉は

まったく新しい方法で城を落とすことを

考えついた。

 

調略である。

 

謀事をもって、事前に敵方と交渉。

戦に持ち込まずに城を明け渡してもらう。

 

これまでの常識の非合理的なところを、

まったく別の視点から解決してしまう。

これもイノベーションですよね。

 

この本では、信長にともに仕える

重臣・柴田勝家丹羽長秀

さらに秀吉の軍師として名をとどろかせた

黒田官兵衛などきら星の如く光る武将たちも

登場する。

 

戦国時代、だんだんと国を統一させていく

信長軍団の勢いが感じられる小説だ。

 

第3位:「国盗り物語

 

国盗り物語1~4巻完結セット

国盗り物語1~4巻完結セット

 

 

こちらも戦国時代ものだが、

秀吉より時代は遡る。

 

一商人から美濃の大名になりあがった

斎藤道三

そしてその娘・濃姫をめとり道三の

娘婿となった織田信長

 

その二人の話である。

 

この二人には図らずとも共通点があった。

 

商売に長けているのである。

 

信長といえば「楽市・楽座」を開き、

商業優先の自由な経済活動を奨励した人物。

 

道三は一介の油売りから身を立て、

美濃の国を手中に入れ、

世では「蝮(まむし)」というあだ名がついたほど、

商売にあざとい男。

 

この二人の天才の交錯する人生がおもしろい。

 

自分の信念を大切にすれば、

自由に行動できる。

 

世間の常識からはずれたところにこそ、

勝機がある。

 

そんなイノベーションの原点を感じられる小説です。

 

第2位:「竜馬がゆく

 

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)

 

 

司馬遼太郎の代表作「竜馬がゆく」。

 

ご存じのとおり、

 

坂本龍馬の生涯を扱った名作である。

 

竜馬の破天荒な出で立ち、

その行動も一つ一つ面白いのだが、

やはりこの本が人々を引き付けてやまないのは、

竜馬がこれまで誰も考えなかったことをやってしまう

その発想の力である。

 

驚くところはいろいろあるが、

僕がびっくりしたのは、

亀山社中」という貿易会社を

立ち上げた点。

 

「日本初の商社」とも言われているらしい。

 

グラバー園で有名な長崎のグラバー商会と、

船を使って運輸業や銃器のあっせんなどの

商業活動を行っていた。

 

起業ですよね。それこそ。

 

さらに竜馬は、

薩長同盟の仲介者として。

勝海舟大政奉還の礎を築くなど、

一人の浪士でありながら、

封建時代では考えられない

イノベーターの心を持っていた。

 

文庫版では全8巻あり、

かなりのボリュームある作品だが、

大丈夫。

 

一度読み進めればあまりに面白く、

最後まで読めてしまうだろう。

 

ちょっと休憩:司馬遼太郎の苦手な作品

基本、司馬遼太郎の作品は好きなのだが、

ちょっと苦手なものもある。

 

それが忍者もの。

 

たとえばデビュー作の「梟の城

 

梟の城 (新潮文庫)

梟の城 (新潮文庫)

 

  

秀吉暗殺の命を受けた伊賀忍者が、

ライバルと抜きつ抜かれつの攻防を繰り広げながら、

秀吉に肉薄していく物語。

 

あともう一つ「風神の門」。

 

風神の門 (上) (新潮文庫)

風神の門 (上) (新潮文庫)

 

 

こちらは「真田丸」でもおなじみ真田幸村

仕えた真田十勇士の一人、霧隠才蔵が主人公。

 

こちらも猿飛佐助などおなじみのキャラとともに

徳川家康の暗殺というところに

物語が向かっていくのだが。

 

これまでにあげた物語と比べると

どうしてもスケールが小さい。

 

主人公たちが直面するのも、

日本を改革するためのアイデアというよりは、

人を暗殺するための考え方、だからだろうか。

 

暗殺者としていかに大名の命を獲るか?

というところにストーリーが置かれているため、

当然といえば当然なのだが。

 

といっても、

それほどボリューミーでもないので、

読んじゃえば、

最後まで読み切ってしまう面白さはあるんですけどね。

 

では、いよいよ第一位。

 

一位:「峠」

 

峠 (上巻) (新潮文庫)

峠 (上巻) (新潮文庫)

 

 

シバリョーの名作として知られる「峠」。

 

実はこの本を読んだのは

それほど昔のことではない。

 

当時、一通りの司馬遼太郎の作品を読んでいた僕は、

「とはいっても『竜馬がゆく』を超えることはないだろう」と

たかをくくっていたが・・・

 

これは名作である。

 

どんな話か。

 

幕末、雪深い越後長岡藩から一人の藩士が江戸に出府した。藩の持て余し者でもあったこの男、河井継之助は、いくつかの塾に学びながら、詩文、洋学など単なる知識を得るための勉学は一切せず、歴史や世界の動きなど、ものごとの原理を知ろうと努めるのであった。さらに、江戸の学問にあきたらなくなった河井は、備中松山の藩財政を立て直した山田方谷のもとへ留学するため旅に出る。

出典:新潮社HPより http://www.shinchosha.co.jp/book/115240/

 

長岡藩藩士河井継之助の物語。

河井はその後、冷静沈着な洞察力と大胆な行動力が買われ、

一介の藩士から家老へと抜擢される。

 

固定的な身分制度が強かった江戸の武士階級では、

異例のことのようだ。

 

というのも、時代は、

明治維新の中で徳川幕府が終焉を迎える中、

藩の生き残りをどうするか?が、

目下の課題だった。

 

そこで河井に藩の行く末が託されたのだ。

 

長岡藩の存続のため、

洋式の軍備を整え富国強兵を計り

開明論者のとしてその才能を発揮する河井継之助

 

河井は、封建制度の崩壊をいち早く見抜きつつも、

藩の家老として官軍と戦わざるをえなくなり、

矛盾した状況に追い込まれる。

 

そこには成功談としての

イノベーションはありません。

 

だけどイノベーショを起こそうと立ち上がりつつ、

そして、その才覚があったにも関わらず、

時代の情勢と運に見放され、

事を成し遂げることができなかった河井の姿に、

僕は心を動かされました。

 

まとめ

司馬遼太郎の作り上げた歴史観は、

よく「司馬史観」という言葉で語られますね。

 

河井継之助坂本竜馬、ほかにも江藤新平など、

司馬遼太郎によって掘り起こされ、

広く知られるようになった人物が数多くいます。

 

歴史学者でない一介の作家が作り上げた虚像が、

多くの日本人の人物観となっている。

司馬史観」という言葉には

そうした批判的な意味合いも感じられます。

 

でも僕は、歴史学者でも何でもないので、

これを一つの小説としてしか読みません。

 

歴史学者たちからすると、

史実と大いに違っているという観点から、

批判をしていますが、

「そもそも小説なんだから、

史実と違って当たり前じゃないか」

と僕は思います。

 

もう少し言うならば、

それは史実なのか、どうなのか?

 

というのは僕はあまり気にならない。

 

それよりもむしろ、

この小説の主人公たちが、

物語の中でイノベーションを起こそうと、

躍動するその姿に心を動かされるのです。

 

ざっくりと5冊のオススメをまとめました。

 

みなさんの参考になればうれしいです。

 

今日はこのへんでおしまい。

 

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