伝説の”レインボースーパーざかな”

好きな本や音楽のこと、日々の暮らしを気ままにつづる雑記ブログ。

かの『プロスペクト理論』は“人間の3大欲求”にあてはまるのだろうか?

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『プロスペクト理論』という行動経済学の理論があります。

 

「人は得するより損に敏感」という庶民感覚にまさにぴったりの感覚を理論として見事に証明したものですが、この理論ってぼくたちの日常生活の割と広い範囲に応用できるんじゃないかと思ったので考えてみます。

 

まず肝心の『プロスペクト理論』のことを知っておきましょう。理論と小難しく名前がついていますが、全然、難しくありません。先日、この理論を提唱したダニエル・カーネマンさんの『ファスト&スロー』という本を紹介しましたが、この本でその特徴について述べているところを引用すると・・・

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4回も脱獄した男の人生を辿る『破獄』~囚人と刑務官の心理戦が面白い!

破獄 (新潮文庫)

 昭和の時代に4回も刑務所を脱獄したという驚愕の男の話です。

 

その脱獄の常習犯である佐久間清太郎の手腕と破獄を防ごうとする刑務官たちとの心理戦が非常に面白い。読んでいてドキドキハラハラ、佐久間はどこで仕掛けるのか?刑務官はこれをどうやって防ぐのか?そんなことを感じながら、読み進める読書となりました。

 

吉村昭さんの本は『零式戦闘機』や『戦艦武蔵』など太平洋戦争を題材にしたものが多いですね。ノンフィクションと小説の間のような作品なので、文章は硬くかっちりとした印象です。が、決して読みにくい、ということはありません。

 

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「本の虫」ですらない・・・という現実。。

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本を読むのが好きで、仕事に持っていくカバンには何かしらの本を入れています。電車の通勤、ちょっと休憩したときのカフェでの一服。そんなときに本を開くと、ちょっと現実のことを忘れ、本の世界に没頭できる。

 

そんな瞬間が好きで、読書は僕の生活の中では”あって当たり前”のものになっています。これがなくなる、という暮らしはちょっと考えられません。

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沢木耕太郎『危機の宰相』/”所得倍増計画”という名コピーはいかに生まれたか?

危機の宰相 (文春文庫)

 

沢木耕太郎の本が好きで、人生の中でときどき合間を見ては手に取ってきました。

 

社会党委員長の浅沼稲次郎と彼を壇上で刺殺した17歳のテロリスト・山口二矢を描いた『テロルの決算』。

 

ボクサー・カシアス内藤のカムバック劇を描き、自身も裏方としてストーリーに深く関わる『一瞬の夏』。

 

写真家・ロバート・キャパの一枚の写真の真偽を追う『キャパの十字架』やクライマー・山野井夫妻のギャチュンカンの挑戦と挫折を描いた『凍』。

 

沢木さんの文章はどの作品もとても読みやすく、そしてまるでその場面を体験しているかのごとくリアリティある筆運び・・・。

 

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『ファスト&スロー』は「人が色んなことに惑わされる」ことがよくわかる1冊

 

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

読むのに骨は折れるが、その読書から素晴らしい知見が得られる本というのがたまにあります。

 

このダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』は僕にとってそうした1冊になりました。

 

副題は「あなたの意思はどのように決まるか?」

 

これはノーベル経済学賞を受賞した著者が、初めて一般書として上梓したという『行動経済学』の本です。

 

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