伝説の”レインボースーパーざかな”

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「働き方」の教科書/出口治明~人間チョボチョボ論を説いたオススメの1冊

 

「働き方」の教科書:「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本

「働き方」の教科書:「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本

 

 

 

日本で初めての生命保険会社のベンチャー、

ライフネット生命を立ち上げた出口治明さんを知ったのは、

糸井重里さんの「ほぼ日」での対談企画だった。

 

で、その対談は、

この「働き方の教科書」について、

二人が語ったものだったんですが、

それがあまりに面白かった。

そして、その興味からこの本を読んだら、

これがまたとんでもなく面白い!

 

出口さんは、

HONZというノンフィクションの書評サイトで、

たびたび記事を寄稿する、読書家でもあるんですが、

これまで読んできた読書量もハンパない人。

 

そんな経営者と稀代の読書家の視点から

語られる仕事論は非常にユニークです。

ぜひみなさんに薦めたいと思いました。

 

「仕事は人生の3割」って考えるとラクになりませんか?

出口さんの語る論法に

僕が信頼を置く根拠になっているのが、

彼が「ファクト(事実)」を重視している点です。

 

根拠のない印象論で説かれても納得いかないことを、

出口さんはデータに基づいて語るので

非常に説得力があります。

 

その中で僕が印象的だったのが、

「所詮、仕事は人生の3割の時間」という

ドライな見方です。

 

ある統計を見ると、日本人の年間の労働時間は1728時間と書かれています。これはサービス残業が含まれていない数字なので、総務省が発表しているサービス残業を含めた約2000時間のほうが実感に近いかもしれません。

 一方、1年間を時間で表すと8760時間になります。日本人が実態に近い2000時間働いているとしても、8760時間のなかの23パーセント程度です。~中略~ 仕事と人生の関係を算数で考えると、日本人にとって仕事の時間が占める割合はたった3割であるというファクト(事実)が導き出されます。3割という数字は、要するにたいしたことはないということです。

 『「働き方」の教科書~「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本~』出口治明著

 

この文章に続いて出口さんは、

私たちにこう問いかけます。

「3割の仕事と、7割のそれ以外の時間」、

どちらが大事なのかと?

 

僕も職業柄、拘束時間が多い仕事についているので、

「仕事が人生のすべて」とどうしても考えがちになるのですが、

違いますよね。

やっぱり家族と過ごす時間、

友人と過ごす時間、

そっちが大切なんです。

 

逆に言っちゃうと、

仕事なんて大したことないんだと。

むしろ、それ以外の7割の時間をどう使うか?

こっちをちゃんと考えないといけないぞ、

という考え方に変わっていきました。

 

でも仕事をないがしろにするということは

ありません。

もちろん、労働の対価として給与をもらっている身分。

じゃあ3割の仕事時間をどう最大限に有効に生かすか、

考えてみようじゃないか、

といポジティブに仕事を捉えていくようになりました。

不思議なものです。

 

仕事を「どうでもいいこと」と考えてみると・・・

さらに出口さんは、

このドライな現実から、もう一歩議論を深めています。

 

仕事をするうえでは、この「どうでもいいこと」だという認識が大切です。ところが、世の中の多くのビジネスパーソンは「仕事が人生のすべて」だと錯覚しています。そのために、悲しくも滑稽な出来事が起こるのです。~中略~ 彼らは「仕事が人生のすべて」だと思っているので、上司に睨まれたら自分の将来は終わったと思い悩み、自分で自分を勝手に追い詰めていきます。仕事を「どうでもいいこと」だと考えれば、合わない上司に仕えることも「どうでもいいこと」に変わるはずです。たまたまアンラッキーな時期にぶつかってしまったという程度に思っていれば、気が楽になるというものです。

 

こういう仕事がすべてという考え方には、

ほかにも「上司や周囲の顔色を伺ってしまう」

「自分が上司になったときに価値観を押し付ける」などの

弊害があると出口さんは指摘されています。

うーん、なるほど。

 

仕事はもちろん大事なものではあります。

だけど、それに固執していくと、

そこに要らない価値観までもがついてくる。

そういう価値観の押し付けを

真に受けてしまうと、

知らず知らずのうちに、

その価値観に染まってしまう怖さがあるなーと

僕は思います。

(ホント、気を付けようっと。)

 

ここでいったん目次を見てみよう

この本では、

出口さんご自身の経験にのっとった

ビジネスマンとしてのアドバイスを

あらゆる世代に向け伝えてくれています。

 

ちなみにこの本の目次をちょっと見てみると・・・

 

序章   人生は「悔いなし 遺産なし」

第一章  人間と人生をどう考えるか

第二章  仕事と人生の関係

第三章  20代の人に伝えたいこと

第四章  30代、40代のうちにやっておくべきこと

第五章  50代になったら何をするか

第六章  あなたが生きるこれから30年の世界

終章   世界経営計画のサブシステムを生きる

 

とあります。

どの章も非常に含蓄のある考えが多いので、

全部読んでほしいのですが、

例えば30代の僕が、

第四章で印象にのこったところを見てみると・・・

 

~30代になると部下ができるビジネスパーソンが多いと思います。自分だけで仕事をするのではなく、誰かを指導しながらチームで一緒に仕事をするステージに入っていきます。人を使う役割に変わったときに大切になるのは「人間のリアリティ」を知ることです。では、リアリティとは何でしょうか。

「人はみな変な人間で、まともな人はいない」

「人格円満で、立派な人なんかいない」

「人はみんななまけものである」

僕は、これこそがリアリティだと考えています。

 

すごい人間観。

 

「人はみな変な人間」・・・。

「人はみんななまけもの」・・・。

 

た、たしかに。

そ、そうかもしれないですがー、

かなりネガティブな見地からの発言ですね。

これは。

 

でもここでも出口さんは、

子どもが親の言うことをなかなか聞かないこと、

そのうえで、

一日のうちせいぜい7・8時間しか一緒にいない部下が、

上司の言うことを聞かないのは、

むしろ当たり前ではないか、とおっしゃっています。

 

この前提に立ったうえで

では、部下にどう働いてもらうのか?

 

変な人間であり、それほどまともでも立派でもない、なまけものの部下。それでも彼らを働かせるのが上司の役割です。そのために必要なのはどのような視点でしょうか。僕は、上司としての考え方をはっきりと伝えることだと思っています。そのうえで、何を期待しているか、何をしてほしいのかということを、的確に伝えなければなりません。

 

まとめ

あまりに濃い~内容のこの本。

1回ではまとめきれないので、

続きはまた次回にしたいのですが、

今日のまとめでは・・・

 

●仕事は人生の時間の3割程度

 →あまり重く考えないほうがいい

●人間、ろくなものではない

 →上司と部下の役割を明確化、指示も具体的に!

 

そういえば、僕が出口さんを知るきっかけになった、

「ほぼ日」のサイトはこちら。最高におもしろいです。

www.1101.com

 

では、またねー。

 

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