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伝説の”レインボースーパーざかな”

好きな本や音楽のこと、日々の暮らしを気ままにつづる雑記ブログ。

さらば”山の神”!~柏原竜二の引退に思ふ~

先日、箱根駅伝で2代目『山の神』として名を馳せた柏原竜二選手が現役を引退しました。僕が趣味でランニングをはじめた時に、ちょうどその年の箱根駅伝で彼のごぼう抜きを見て、素直に「かっけえーなー」とファンになりました。

 

以来、いち市民ランナーとして彼を応援していたのですが、今回、こういう形で引退されたのは非常に残念でした。ニュースなどを見ると、どうやら怪我をして故障されていたようですね・・・ご本人もさぞ無念かと思います。

 

 

 一流の長距離ランナーというと極限まで身を削って、軽々と軽快に走っていく。「はじめの一歩」でいう宮田くんのようなタイプが僕のそれまでのマラソンランナーのイメージでした。大迫選手や設楽選手がそんな感じ。サラブレッドのような走りです。

 

しかし箱根駅伝の5区の柏原くんの走りは違いました。上りという区間もありますが、ものすごく力強い走りでそこがカッコよかった。他の選手が急こう配に苦戦している中一人だけ坂をものともしない走り。言葉は悪いですが、道産子のような馬力を活かしてグイグイと登っていく走りでした。

 

僕は昔、あの道をチャリンコで上ったことがありますが、あの山道、マジ死にます。。。全然上れない・・・。テレビで見るのと全然傾斜の角度が違います。あの行程をわずか1時間とちょっとで完走してしまうのですから・・・ホント、一流ランナーはすごいです。

 

浮き沈みの激しいランナーとしての戦績

そしてその中でも、4年連続区間賞をとり、その年の箱根駅伝のMVPにあたる「金栗四三杯」を3回受賞した柏原くんはやはりスゴイ。元祖・山の神の今井選手も、コニカミノルタで活躍する3代目の神野選手ももちろんいいランナーですが、個人的にはその印象の強烈さからか、柏原くんを特に応援していました。

 

そもそも柏原くんは高校時代、貧血に苦しみ卒業後は就職を考えていたそうです。ランナーは度重なる足の衝撃で赤血球が壊れやすいと言われているので、そうしたことから貧血に苦しんでいたんでしょう。

 

しかしその貧血も薬の服用や食生活を改善することでかなりよくなり、結局、東洋大学のスカウトに誘われ入学します。

 

大学時代の彼の実績は言わずもがなでしょう。箱根駅伝の活躍以外にも大学2年時にはユニバシアードで10000mで8位に入賞するなどの成績を残しました。

 

大学卒業後、彼は富士通に移り実業団ランナーとなりました。僕は実業団で彼はきっとさらなる飛躍を遂げるだろうと思っていたので、その年のニューイヤー駅伝をものすごーーく楽しみにしていました。

 

けれど、確か初年度は出なかったのかな。

 

あれ?どうしたんだろう?と思いました。

 

僕は箱根駅伝やマラソンのファンと言いながら、にわかファンの域を出ません。ですのでふだんは実業団ランナーの動きを逐一チェックするわけでもない代わりに、1年ぶりに柏原くんがどんな走りをするのか?楽しみにしていました。

 

元々、柏原選手は坂道に強く平地での走りが疑問視された部分もあったようなんですが、僕はそんなの関係ねーと思っていたので、勝手に期待させていただいていたんですが。あれは本当だったのかも。。と一抹の不安がよぎりました。

 

その後も初フルマラソンや青梅マラソンの結果をたまにニュースで見ていましたが、大学時代のような走りの便りが届くこともなく・・・引退となってしまいました。

 

大学時代の10000mと5000mの自己ベストの更新もならなかった。

 

ランナーはケガとの闘い

こう書いていたら、堂場瞬一さんの「チーム」という小説のことを思い出しました。これは箱根駅伝の中でも関東学生連合チーム焦点をあてた話なんですが、主人公の浦君は左ひざに故障を抱え不安を感じながら、箱根の10区を走るという話でした。

 

チーム (実業之日本社文庫)

チーム (実業之日本社文庫)

 

 

 ことほどさように、ランナーというのはどうしてもケガとの闘いの側面があります。僕なんか比べるよしもありませんが、それでもハーフマラソンなどで1キロ4分30秒ぐらいのスピードで走ると、地面を踏みしめたときの衝撃がもろ脚にきます。

 

一流ランナーの走りとは全く次元が違いますが、僕のような市民ランナーですらなかなかの負担が足にくるんです。よくマラソンの解説書なんかに、ランナーの脚には体重の3倍の衝撃がかかる、なんて言いますが、あれってスピードによってまったく変わってくるなというのが僕の実感です。

 

たぶん箱根を走り、実業団に行くようなランナーはそれこそ1キロ3分を切って走るというとんでもないスピードで走っています。どれぐらいの衝撃がかかっているのでしょうか?

 

その絶え間ない運動を2時間以上繰り返すのがマラソンです。実業団の練習では月1000キロ走るなんてことも聞きますから、相当うまく体をケアしないと、そりゃ、故障・ケガはするでしょ、という感じです。

 

今回の柏原くんの引退についてニュースをいろいろ見ていると「燃え尽きた」とか「重圧に負けた」とか書かれていますが、そうなんでしょうか?僕は単純に取返しがつかないぐらい「脚が故障した」というのが最大の理由かと思うんですけどね。

 

柏原くんも今回の引退表明でこう述べています。

 

昨シーズン(2016年度)に度重なる怪我・故障をしてしまい、この発表をしている今でも完治しておらず復帰の目処がたたないことから、競技の第一線を退くことにしました。福嶋監督をはじめ、これまで指導いただいた先生方から、「やめるには早いのではないか?」「治療やリハビリに専念してみてはどうか?」という言葉をいただきましたが、以前アキレス腱を長期間痛めた時に「もう一度大きな怪我をしたら競技人生に区切りをつける」と自分の中で決めていたこと、故障をしてから治療やリハビリに専念してきましたが回復する見込みがないことから、このような報告をさせていただくこととなりました。

 

柏原くんだけでなく、元早稲田の竹澤選手とかケガが原因で引退するランナーは少なくありません。野球選手やサッカー選手は多少のケガや痛みがあってもだましだましで続けられる場合もあるみたいですが、ランナーは『走る』という極めて単純な運動が仕事。脚の故障は即、そのスポーツができないという事態に直面します。

 

もうちょっと選手にケガをさせない練習というのはできないものなのでしょうか?

 

記録の向上というのはもちろん個人にとってもそのチームにとっても至上命題なのですが、長引くような大けがをしてしまっては元も子もないと思うのです。 マラソンランナーの選手生命はそれほど長くはありません。

 

柏原くんも結局5年ほどで引退してしまいました。何とももったいないと思います。

 

柏原くんの今後は?

柏原くんは引退後も富士通に残り運動部のサポートとして裏方の仕事をするそうです。これまでは「山の神」として注目され続けた人生だったと思いますが、今後は少しその重荷が下りるんじゃないでしょうか。

 

まずは足を完治させ、無理のない範囲で仕事に専念していただければとファンとしては願っています。

 

柏原くんの引退表明文にこんな言葉がありました。

 

特に陸上競技は、競技場に来ていただければいろいろな種目が行われているので見ていて飽きません。トラックは100mから10,000mまで、フィールドも跳躍や投てきなどさまざまな種目が行われています。そして、駅伝やマラソンも勝負の駆け引きや最後まで何が起こるか分からない多くの面白さがあり、ほかのスポーツでは味わえない魅力があると思います。是非、陸上競技場や駅伝・マラソンのコースに足を運び、選手たちのパフォーマンスを見ていただければと思います。 

 

瀬古さんのころから、もしかするともっと前からマラソンというのは日本人にとってなじみのあるスポーツという印象はありますが、それでも、野球やサッカーなどとは比べるよしもありません。

 

ただ最近は市民マラソンが普及したことや髙橋尚子選手の活躍、川内選手の活躍などで陸上の長距離にもかなり注目が集まるようになりました。

 

僕は以前実業団ランナーたちのハーフマラソンの大会を見たことがありますが、本当に彼らはものすごいスピードで駆け抜けます。やっぱり日本最高峰の走りは、違います。特に市民ランナーの方が見ると、自身のモチベーションが上がること間違いなしです。

 

柏原くんが書いているように、一市民ランナーとしてもっと陸上競技のファンになりたいなあと思いましたし、マラソン競技の素晴らしさをもっと多くの人と共有できればと思います。

 

そういう意味では、最近、この「EKIDEN_NEWS」は僕のお気に入りになっています。

 

駅伝ニュース Ekiden-news

 

 

ふつうのマスコミのスポーツニュースではスルーされてしまう長距離界の情報が逐一流れてきていいです。

 

そして柏原くんの最近のツイートを見ていたら、こんなメッセージが。。

 

 

そりゃそうだ。。なんというか・・・、ご家族や友人はあきらかに関係ないですもんね。有名選手というのは本当に大変です。。これも何とかなんないのかな。

 

まずはこのドタバタが早くおさまることを心より願っています。。

 

春は、多くの人にとって新年度のスタートや入学式や入社式など始まりの季節でもありますが、ある人にとっては区切りの季節でもあります。4月は、その始まりと終わりが入り混じった何ともいえない特別な時季ですね。

 

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柏原くん、どうもお疲れさまでした。