くるり『THE PIER』を相撲番付的にオススメしてみる!
日々のトホホな、時にはくそったれ!と思うぐらいの毎日を支えてくれる”大切な音楽”。
通勤の電車であれだけ多くの人がイヤホンで音楽を聴いてるので、きっと誰にでもそんな大事な音楽があるんだと思います。
何とも言えないフラストレーションが日々の暮らしの中で溜まっていく中で、こうした音楽は気持ちを前向きにさせてくれる。やっぱり大切なものですよね。
で、僕の中で最近というか、しばらくずっと通勤のおともに欠かせなくなっているのがこちら。
くるりの「THE PIER」。
このアルバムがリリースされたのは2014年、ということで3年前になります。ですので、何をいまさら感、満載であり、しかも・・・
音楽なんて聴かなくても死なないし、個人の趣味がもろ反映されるジャンルなので、ロックに特に思い入れがなければ、くるりなんて聞かないよ!ってなるのかもしれんけど・・・。
これを聞かないのは誠にもったいない。。と個人的には強く思うアルバム。
だがしかし・・・
ネットで検索すればこのアルバムについては、多くの方がレビュー記事を書いています。あのライターの田中宗一郎氏も、これ何文字あるんか?っていうぐらい愛のこもった超長文がnoteにあるので、マジでいまさら感があるのですが・・・
でも、やっぱりいいアルバムであることは間違いない。
スルメのごとく、聴けば聴くほど味わいが出てくるんですね。
人生のおともです。自分の将来なんてさっぱり見えないけど、後に振り返ったら30代の終わりのころはずっとこれ聴いてたなって思えるぐらいな感じです。
で、これ、もちろんいいアルバムなのは間違いないんだけど、もうちょっと細かく見てみると、やっぱり曲ごとに色があってそこで好みとかが出てきます。
アルバムには曲の流れとか順番の妙があるのはわかっているんですが、その一方で、1曲1曲で聴いてったときに、よく聴く曲とそうでもない曲ってのがやっぱりあるのが事実。
なので、今日はわかりやすく・・・
相撲の番付風に、このアルバムの聴きどころをご紹介してみようかと思います。
なんだそれ?って思われるかもしれませんがご容赦を。
くるり『THE PIER』はこんなアルバム
まずアルバムの全体像がわからないと話にならないので、曲はこんな感じ。
- 2034
- 日本海
- 浜辺にて
- ロックンロール・ハネムーン
- Liberty&Gravity
- しゃぼんがぼんぼん
- loveless
- Remember me
- 遥かなるリスボン
- Brose&Butter
- Amamoyo
- 最後のメリークリスマス
- メェメェ
- There is
公式サイトもしっかりあって、このアルバムをこんな風に紹介しています。
約2年ぶりとなる今作は、さまざまな時代、さまざまな文化の音楽を無尽蔵に取り込んだ、だが、何にも似ていない「最新型の多国籍サウンド」満載のとても古くて、どこまでの新しい、まさに「これから名付けられることを待っている音楽」集。
出典:くるり「THE PIER」公式サイトより
確かに時代という縦軸・世界中の音楽を取り入れるワールドワイドな横軸、まさに縦横無尽にいろんな音楽の要素を咀嚼している印象のアルバムです。
そして、これまでのくるりのメロディを踏襲しているところもありつつ、新たな世界も開拓している。
大学時代から20年くるりを聴いてきた身としては、このアルバムは「まだ新しいことができるのか、こいつらは・・・」という驚きに満ちたものでした。
そこで誠に僭越ながら私・森野の番付を3役+αって感じで発表すると・・・
東 西
横綱:5「Liberty&Gravity」 /14「There is」
大関:4「ロックンロール・・・」/7「loveless」
関脇:8「Remember me」/11「Amamoyo」
小結:9「遥かなるリスボン」/ 12「最後のメリークリスマス」
あとの曲は、前頭かなーーー。
こんな感じでしょうか。
このアルバムの横綱は圧倒的にこの2曲だなーーー。
ということで、アルバムの頭の曲から順番に聴きどころをご紹介します。
『THE PIER』の聴きどころ
このアルバムの冒頭の曲「2034」はインストから始まります。その流れを引きずりながら「日本海」になだれ込むんですが・・・
スローテンポな曲にところどころ古風な歌詞とギターフレーズ。
でもサビの部分は妙に現代ロックのメロディだったりして。。。
よくわからん(笑)
ただこの2曲目を聴いた時点で、このアルバムがただならぬ方向に行くことがなんとなく予感できます。
というのも、今回このアルバムに大きな彩りをそえているのは、間違いなくファンファンの管楽器であると森野は思っているのですが、前回のアルバムに比べ、このトランペットがとっても効いているんです。
そしてアルバムの一番の聴きどころが、4曲目の「ロックンロール・ハネムーン」から7曲目の「loveless」までかなと僕は思ってます。
「ロックンロール・ハネムーン」は、「タッタカタッタカ・・・」っていう小気味よいドラムが印象に残る曲。くるりは前にも「ロックンロール」って曲がありましたが、そちらに比べると、メロディの抑揚は少し抑えられている感じ。
ただこちらはこれでいい曲です。やっぱりトランペットが曲に深みを出しています。
そして次の「Liberty&Gravity」ですが・・・
これがスゴイ!!
このアルバムを象徴している1曲だなーと僕なんかは思います。
このアルバムは、あらゆる音楽の要素を取り入れ「多面的な顔を持つ」ってのが一番の特徴だとさっき申しましたが、この曲は1曲の中で次々と展開が変わり、まさに多面性を具現化した1曲になっている。
歌詞のトーンも次々と変わり、ヘンテコなフレーズがたくさん。。
僕はこのアルバムの中でこの曲が一番好きです、新しいくるりを見た気がしました。。
その複雑さ、こちらのPVで一度試してみてください。
PVも曲の特徴をよくとらえていて面白いですよ。
6曲目の「しゃぼんがぼんぼん」は、くるりお得意のメタル調の短い曲。1分半ぐらいの短い曲でちょっと気分転換を図るのにちょうどいい。
「loveless」と「Remember me」は、単純にいいメロディーといい歌詞。僕の中では、大関・関脇クラス。くるりの暖かみのある世界にたっぷりと浸れる2曲です。
後半僕が気になったのは、9曲目の「遥かなるリスボン」と12曲目の「最後のメリークリスマス」。「遥かなる~」は、タイトルから感じられるように、ヨーロッパの海を航海しているような曲。
どういうアレンジでどういうメロディーになると、あんな風になるのか、素人の僕にはわからないが、この曲は欧風のにおいが存分に楽しめる1曲。
そして「最後の~」もクリスマスっぽい曲ですね。ちょっといまだと時期はずれではあるんだけど、メロディの作り方とかアレンジの仕方とか上手だよなーと思います。
この二つは小結クラスかなーー。
そしてもう1曲、関脇クラスが「Amamoyo」。
ギターのカッティングで始まり、キーボードが宇宙的な広がりを見せるこの曲。こういうメロディとアレンジに「Amamoyo(雨模様)」と名付けるのが素敵なセンスをしている。
もう一つの横綱が、最後の「There is」。
これもいい曲っすね。前作の「坩堝の電圧」もラストに「glory days」っていうすごい曲をもってきていましたが、今回もラストの曲がいい。
これは「Liberty&Gravity」と違って、ストレートなギターサウンドがベースの曲なんですけどね。
で、歌詞がよくて、その歌詞を聴かせたいのか、PVではその歌詞をうまいぐあいに視覚化している。
ラストにいい曲を持ってきてくれると、アルバムがしまるというか、トータルのアルバムの印象が上がって終わりますよね。
まとめ
ということで、一通りアルバムの流れを見てきましたが、改めて僕のイチオシは・・・
東 西
横綱:5「Liberty&Gravity」 /14「There is」
大関:4「ロックンロール・ハネムーン」/7「loveless」
関脇:8「Remember me」 /11「Amamoyo」
小結:9「遥かなるリスボン」 / 12「最後のメリークリスマス」
こんな感じ。
ただこれ以外にもいろんな個性ある曲が並んでいて、聴いていてとても楽しいアルバムです。
そして、最初のほうに書きましたが、このアルバムはファンファンの管楽器がものすごくポイントになっています。曲に深みが加わり、表現の幅がさらに広がりました。
くるりはまた新たなステージを切り拓いたな、という印象。これ、作り手はホント大変だなと思いつつ・・・次回作に期待しています。
ちなみにですが・・・
このくるりの「THE PIER」には公式サイトもあって、ここでもいくつかPVを見ることができます。
もしこの記事でくるりに少しでも興味を持ってもらえたらウレシイです。
今日はこのへんでおしまい。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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