伝説の”レインボースーパーざかな”

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【おススメの本】『インフェルノ』/ダン・ブラウン~極上の歴史教養ミステリーが面白い!

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2016年10月28日から公開されている映画「インフェルノ」。

最近いたるところに広告が出ているので

気になっている人も多いのでは? 

 

 

インフェルノ (上)  (海外文学)

インフェルノ (上) (海外文学)

 

 

こんにちは、森野です。

 

この「インフェルノ」は「ダ・ヴィンチ・コード」、「天使と悪魔」などダン・ブラウン原作のロバート・ラングドンシリーズの最新作。おなじみのトム・ハンクスふんする宗教象徴学者のロバート・ラングドン教授が、怪事件の解決を担う。僕はこのシリーズのファンなのですべての原作を読んでいるが、今回のインフェルノも・・・

 

めちゃくちゃ面白かった。

 

本当によくできているミステリー。

 

伏線の張り方やその回収の仕方など、もちろんミステリーとしてのクオリティも高い。だけど森野はそれだけでは全シリーズを読破しようとは思わない。やっぱり、このシリーズの最大の魅力は・・・

 

ヨーロッパの歴史・美術への深い探究。

 

にある。

 

その太い幹が非常にしっかりしているので、知的好奇心を存分に満たさせてもらいながらミステリーを堪能できる。そんな仕掛けになっている。

 

今日はそんな森野がオススメしたいロバート・ラングドンシリーズの魅力を今回の「インフェルノ」から5つご紹介。

 

小説が苦手な人は映画で。

映画よりも文章、という方は小説で。

 

このレビューをご覧いただき、どちらかに手を伸ばしていただけたら森野としてはこれほど嬉しいことはない。

 

1:世界の歴史の、重要なトピックを取り上げている

さっき書いたとおり、このシリーズの最大の魅力はミステリー+αのアルファのところ、

世界の歴史、美術、文化などその文化的教養をとことん探求しているところにある。

 

そのうんちくがいちいち「へー」「ほー」というものばかりで、面白い。この面白さ+ミステリーの面白さで読者をひっぱっていくのが、このダン・ブラウンのシリーズの一連の特徴。

 

そして今回の「インフェルノ」。ダンテの『神曲』の〈地獄篇(インフェルノ)〉が、エピソードのおおもとの根幹をなしている。そこにヨーロッパの歴史、美術を複雑にからめさせ、ハーヴァード大学の宗教象徴学者のロバート・ラングドンがその絡み合った糸を一本一本ほぐし事件の真相に迫っていく。

 

例えば「黒死病・ペスト」。

中世のヨーロッパで大流行し、イングランドの総人口の三分の一が死亡したという恐るべき病である。今回の本のテーマにこのペストは大きく関わっている。

ちなみにペストという病気、どんな病気か、Wikiをみてみると・・・

 

14世紀の大流行

 
中世ヨーロッパにおけるペストの伝播。
ポーランドでは被害が発生しなかった。

472年以降、西ヨーロッパから姿を消していたが、14世紀には全世界にわたるペストの大流行が発生した。この流行はアジアからシルクロードを経由して欧州に伝播し、人口の約3割を死亡させた。全世界でおよそ8,500万人、当時のヨーロッパ人口の3分の1から3分の2に当たる、約2,000万から3,000万人が死亡したと推定されている。

14世紀の大流行は中国大陸で発生し、中国の人口を半分に減少させる猛威を振るったのち、1347年10月(1346年とも)、中央アジアからイタリアシチリア島メッシーナに上陸した。ヨーロッパに運ばれた毛皮についていたノミが媒介したとされる。流行の中心地だったイタリア北部では住民がほとんど全滅した[2]1348年にはアルプス以北のヨーロッパにも伝わり、14世紀末まで3回の大流行と多くの小流行を繰り返し、猛威を振るった。ヨーロッパの社会、特に農奴不足が続いていた荘園制に大きな影響を及ぼした。

1377年ヴェネツィアで海上検疫が始まった。当初30日間だったが、後に40日に変更された。イタリア語の40を表す単語からquarantine(検疫)という言葉ができた。

イギリスでは労働者の不足に対処するため、エドワード3世がペスト流行以前の賃金を固定することなどを勅令で定めた(1349年)ほか、リチャード2世の頃までに、労働集約的な穀物の栽培から人手の要らないヒツジ放牧への転換が促進した。イングランドの総人口四百万人の3分の1が死んだと言われ、当時通用していたフランス語や聖職者が使用していたラテン語の話者人口が減り英語が生き延びた。

出典:ペストーWikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%B9%E3%83%88 より

 

このペストと現在世界で起きている「人口増問題」が今回のストーリーに大きく関わってくるのだ。

 

ちなみにみなさんご存じ「ダ・ヴィンチ・コード」では・・・

 

レオナルドダヴィンチの「モナ・リザ」、「ウィトルウィウス的人体図」の解釈を行いながら、キリスト教の聖杯伝説、マグダラのマリアなどカトリックの教義・宗教的要素にも踏み込んでいる。

 

「天使と悪魔」では、秘密結社・イルミナティ、イタリアの天文学者であり物理学者のガリレオ・ガリレイ、ローマ教皇を選出するコンクラーベ、さらに現代物理学の素粒子の知見から「反物質」という概念までひっぱってきており、宗教学、歴史、サイエンスが複雑に絡み合っている。

 

歴史だけでなく、サイエンスまで取り込み、現代の社会問題まで扱うのがこのシリーズが極上のエンタメとなっている大きな理由なのだ、と森野は思っている。(世界的ベストセラーになっただけあって、その解釈の正当性などで大きな問題も残しているようだけど・・・)

 

2:世界の文化遺産も同時に楽しめてしまう

「インフェルノ」では、ヨーロッパの美術や芸術、そして歴史をからめているということで、その舞台も当然ヨーロッパになってくる。

 

そしてダンテの「神曲・インフェルノ」が物語の根幹をなしているので、当然その謎解きのためにラングドンたちは、現地に足を運び、そうした作品に触れながら、一つ一つ真相に迫っていく。

 

なのでたとえば、「神曲・インフェルノ」をモチーフにしたボッティチェリの「地獄の見取り図」などの芸術品はもちろん、そうした作品を所蔵する博物館や美術館、教会なども登場する。さながら観光ガイドを読みながらストーリーをたどっていく、そんな気分が味わえるのも魅力。

 

ちなみに「インフェルノ」の舞台は、ダンテにゆかりの深い・・・

イタリア・フィレンツェ

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そしてイタリアの水の都、

ヴィネチア。

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世界の歴史の中で重要な役割を果たしてきた、

イスタンブール。

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フィレンツェでは、ヴェッキオ宮殿にヴェッキオ橋、ヴァザーリの回廊、サンタ・マリア・デル・フォーレ大聖堂が出てくるし、

 

ヴェネチアは、サン・マルコ大聖堂

 

イスタンブールは、アヤソフィア

 

世界史を勉強した人ならたぶんおなじみであろう名所がこれでもかと出てくる。

 

ということで、この点に関しては、やっぱり本を読むよりも映画を見るほうがいいかもれしれない。。

 

本だとなにぶん文章だけで想像がつかないところもあって、イメージがわきにくい。逆にこれが映画になると、絵画や教会など文字では描写しにくいところもばっちり絵でわかるので断然、強いし早い。

 

ちなみに「ダ・ヴィンチ・コード」ではパリのルーブル美術館、「天使と悪魔」ではバチカンのサン・ピエトロ大聖堂が舞台の一つになっている。

 

そうした名所を文化的に楽しみたいのら、やっぱり映画かなーー。

 

3:登場人物が魅力的!

これはおもしろい小説の必須条件だと思うんだけど、このラングドン・シリーズも登場人物が面白い。

 

主人公のロバート・ラングドンもさすがに4作も重なると、キャラにさまざまなエピソードが付け加えられる。Wikiを見てみると・・・

 

ロバート・ラングドン(Robert Langdon)は、ダン・ブラウンサスペンス小説『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』『ロスト・シンボル』『インフェルノ』に主人公として登場する架空の人物。

映画『ダ・ヴィンチ・コード』、『天使と悪魔』では共にトム・ハンクスが演じている。日本語吹替版ではハンクスの専属声優の江原正士がいずれも担当している。

人物[編集]

ハーヴァード大学教授・宗教象徴学専門。アメリカ人。『天使と悪魔』では45歳。独身。

アメリカ合衆国マサチューセッツ州ケンブリッジヴィクトリア様式の借家に住む。大学では、飛び込み水球の選手で、学校の生徒からも慕われている。ハリソン・フォードに似ているとよく言われており、学内でのニックネームは“イルカ”。ミッキー・マウスの時計を愛用する。

フィリップス・エクセター・アカデミー卒業。運転免許は持っているが、オートマ限定でマニュアル車には乗れない。愛車はサーブ900S

幼少期に両親から離れ、深く狭い井戸の中へ落ちてしまうが、5時間も井戸の水の中で立ち泳ぎをして生きたまま救出されたことから、マスコミに取り上げられたことがあった。しかし、このことが原因で、大人になってからも軽度の閉所恐怖症に悩まされている。実際に作品の中でも、飛行機やエレベーターに乗ったり、図書館の暗く狭い空間にいる時に気分がすぐれない様子が描かれており、小説『ダ・ヴィンチ・コード』ではエレベーターに乗るのを断ったり、運送トラックの中で怯えてしまうなどの場面がある。

「ロバート・ラングドン」という名前は、芸術家のジョン・ラングドンからとられている。

出典:ロバート・ラングドンーWikipedia 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%89%E3%83%B3 より

 

独身、閉所恐怖症、ミッキーマウスの腕時計を愛用しているとか、キャラづけをする特徴が上手にちりばめられているが、やっぱりキャラ立ちさせている最大の理由は「宗教象徴学」という変わった学問の専門家であるという点だろう。

 

そして、こういう映画では毎回つきもののヒロイン。

 

シエナ・ブルックスという女性医師でIQ208の天才。

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出典:映画「インフェルノ」オフィシャルサイト より

http://www.inferno-movie.jp/site/#!/videos

 

ちなみに映画では、フェリシティ・ジョーンズが演じている。

 

今回のこの作品では、このシエナがいつも以上にヒロインが重要なカギを握っている。

 

4:シリーズだけど単発で読んでも全然問題なし!

このロバート・ラングドンシリーズ。シリーズものでこれまで4作品出ている。

 

 1作目:「天使と悪魔」(2000年)

 

天使と悪魔 (上) (角川文庫)

天使と悪魔 (上) (角川文庫)

 

 

2作目:「ダ・ヴィンチ・コード」(2003年)

 

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

 

 

3作目:「ロストシンボル」(2009年)

 

ロスト・シンボル (上) (角川文庫)

ロスト・シンボル (上) (角川文庫)

  • 作者: ダン・ブラウン,越前敏弥
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4作目:「インフェルノ」(2013年)

 

インフェルノ (上)  (海外文学)

インフェルノ (上) (海外文学)

 

 

 あー!

 

てっきり

「ダ・ヴィンチ・コード」が最初だと思ったけど。

違う!!

 

2作目なんだ。

 

という感じで、シリーズものなんだけど基本、一話完結。前作が今作に関連しているということはあまりないので、基本、どこから入ってもいい。

 

いきなり「インフェルノ」から読み始めても問題ない。

 

5:ダン・ブラウン家は、みなさん学者肌であり芸術家肌

どの作品にも膨大な美術、歴史の知識が積み込まれ、また今回のインフェルノでは人口増の問題に遺伝子工学、「天使と悪魔」では物理学の知見も入るなど、とにかくものすごーーいボリュームの学問の知識が積み込まれているこのシリーズ。

 

著者のダン・ブラウンって何者なの?と思って、

作者紹介を見てみた。

 

ダン・ブラウンは、アメリカ合衆国ニューハンプシャーエクセターにあるフィリップス・エクセター・アカデミーを卒業後、アマースト大学を卒業。母校フィリップス・エクセター・アカデミーの英語教師を勤めながら、作家業を開始する。

2003年に発表した第4作の推理小説『ダ・ヴィンチ・コード』は、世界的な大ベストセラーとなった(2006年5月20日、映画公開)。

デビュー作『パズル・パレス』(原題:Digital Fortress)は、日本では角川書店より2006年4月3日に刊行された。

ダン・ブラウンの父は、数学者であり、母は、宗教音楽家。妻は、美術史研究者で画家。

出典:ダン・ブラウンーWikipedia 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3 より

 

注目すべきは一番最後の2行。

 

父は数学者

 

母は宗教音楽家

 

妻は美術史研究者で画家

 

なんかわからんけど、すげーー一家!!

 

周囲の人の存在って本人の生きる環境に大きな影響を与えると思うけど、こういう人たちに囲まれていたら、やっぱりいろんな知識が身につくんですかね。

 

こういう作品が書けるのがものすごく納得した。

 

まとめ:訳者のあとがきに心から納得

この「インフェルノ」を読了した後、作品の余韻を楽しみながら、訳者・越前敏弥さんのあとがきを読んでいたら、「ああーーこれがこのシリーズの魅力なんだよなーー」と痛感した部分があったので最後にご紹介。

 

ダン・ブラウンの作品については関連書が多く刊行されているが、電子書籍で「インフェルノ」のガイドブックを出しているゲアリー・ジャンセンは、インターネット新聞The Huffington Postのサイトに寄稿した記事で、「ダン・ブラウンが重要な作家である理由」として、つぎの九つをあげている。

  • ダンテにスポットライトをあてて、世界中の注目を集めたこと。
  • 文化的教養を深められること。
  • 経済を活性化させていること。
  • 観光事業に多大な貢献をしていること。
  • 地球単位の大きな社会問題への意識を高めてくれること。
  • さまざまな象徴のおもしろさに目を向けさせてくれること。
  • 信仰と理性の対話を復活させること。
  • 小説家志望者の励みとなる存在であること。
  • 本のおもしろさを伝え、出版業界を活気づけてくれること。

 出典:「インフェルノ 下巻」より

 

これを読んで、森野は深ーーく納得した次第。

そうだよな。

 

捉え方によってはこれはフィレンツェやヴェネチアの観光PRになっているし、そういう意味では、経済の活性化にも一役買っていると言っていい。地球単位の社会問題といえば遺伝子操作の問題や人口増問題にこの作品では触れているし、象徴の面白さは・・・まあ、本シリーズの得意分野なのでそれは読んでいただいて楽しんでいただければと。

 

ということでこの「インフェルノ」オススメです。

 

今日はこのへんでおしまい。

 

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