【おススメの本】『松浦弥太郎の仕事術』~仕事の心構えを5つ考えてみた~
ただただ、
シンプルに生きたい。
とか、
正しいたたずまいで背すじをピンと伸ばして
毎日を過ごしたい。
とか、
物質的な豊かさよりも、
精神的な豊かさを求め納得のいく日々を送りたい、
とか。
そんな清廉な日々を過ごしたいという方。
僕は基本的にはそういう希望の中で、一日一日を大切に過ごしたいと思っている一人。願わくば仕事をバリバリするよりも、ちょっと時間に余裕のある中で好きな本を読んで、ゆっくりゆったりとした心持ちで一日を終えたい・・・。
そんな風に思っているんだけど・・・
なかなかそうはいかないですよね。
だって仕事しているし。
忙しいし。
そうした相反する気持ちの中で生きていかなければいけない僕にとって、一服の清涼剤になるのが・・・
松浦弥太郎さんの本。
前回もこちらの記事で紹介しましたが。
松浦弥太郎さん。
ご存じかと思いますが、こんな方です。
元々「COW BOOKS」というオシャレな本屋を営んでいたんだけど、
2006年から、朝ドラで話題になった「暮らしの手帖」の編集長に就任します。
2006年、「暮しの手帖」の編集長に就任。書籍商の他、編集、翻訳、文筆などの分野で活動する。2016年1月に行った講演で、2011年に原発関連の記事を震災後に取り上げなかったことで批判されたが、部数は伸びたと語った。 被災地の仮設住宅を訪ねたところ、読者から「全てのメディアが悲惨な話しかしない時に『それを扱わない『暮しの手帖』を選んだ。」と言われたことをあげ、メディアには真実を伝えるだけでなく、現実逃避の役目もあると述べている[1]。
2015年の79号まで編集長担当した後に沢田康彦にバトンを渡してから退職し、「クックパッド」に移籍した。7月1日より新メディア「くらしのきほん」をスタート。
出典:Wikipedia「松浦弥太郎」より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%B5%A6%E5%BC%A5%E5%A4%AA%E9%83%8E
そんな松浦さん、これまでのさまざまな著作で「丁寧に生きる」ことの大切さをおっしゃっています。
が、シンプルに、ルーティンを大切にして、丁寧に生きる。
これがどんなに難しいことか。。。
僕らの日常を占める「仕事」だって、もっともっと大切にしたり、こだわっていきたいところはあるのだけど、あまりに多くの雑事にとらわれていくうちに、大切なコアを見失ってしまう。そんなことを感じたときに、森野が仕事の原点に立ち返れる心のよりどころ的な本がこの1冊です。
今日はこの松浦さんの「仕事術」についての本から、仕事を日々行っていく上での大切な心構えを丹念にご紹介。今週からのまたきつい1週間を迎えるみなさんにお役に立てば幸いです。
そもそも「生きるということは●●」なのだ
この本はタイトルどおり、松浦さんの仕事術。
というか、松浦さんの仕事に対する心構えを知ることができる1冊。そんな松浦さんの言葉の中で、はっと膝を打った一言がある。
リルケという詩人がいます。彼がこのような意味の言葉を残しています。「生きるということは悩み続けることである。悩み続けることが生きている証拠であり、しあわせでもある。決してしてはならないのは、その答えを求めてはいけないことである」~中略~滝をのぼり続けていくという行為は、悩みや考えにしっかりと向き合い、悩み抜き考え抜くことが、すなわち生きるということ。ひたすら心を柔軟にして、のぼり続ければいいのだと知りました。
出典:「松浦弥太郎の仕事術」松浦弥太郎 より
僕なんかは仕事をしている中で、後悔の連続である。もしくはある案件をどうしていこうか、常に悩んでいる、悩んでいる。「ああしとけばよかった」という反省から、「あれはどうしようか?」と日々正しい答えを求める日々。
そんないつも悩んでいる自分は一体何なのだ!と自問自答することも。
だけど・・・
それでいいんだ!と
後押ししてくれたのが文章。
「生きるということは悩み続けることである」
「答えを求めてはいけない」
ちょっと古臭いしあまりにストレートな言葉であるが、
心に刺さった言葉だ。
特に「答えを求めてはいけない」という言葉。今の世の中、だれもが迅速に「答え」を追い求める中では、逆行するような言葉である。だけど、正しい答えなんてなかなか見つからないし、本当にそれが正しいかはわからない。
そうした不確実性の時代の中で「答えを求めるな」というのはある種、正しい気がして僕はすごいホッとした覚えがある。
そう、悩み続けることは当たり前なのだ。
仕事の本質はどこにあるのか?
自分たちの仕事のクオリティをどこに求めるか?
これはなかなか難しい問いです。
もちろん目に見える成果、というか指標がある場合はそれが大事な基準にはなるんだけどそれだけではない、ですよね。
また日々仕事をしていくと、どうしてもダレていく。
いつも新鮮な気持ちで新しいチャレンジをし続けていくということはなかなか骨の折れることであり、精神的な負担も大きい。
人はやっぱりなまけ者の一面があるから、ほおっておくと自分の殻に閉じこもって、どうしても安易な守りの道を選択してしまいがちです。僕なんかまさにそうなのだけど。
そうした時には次の文章を思い起こすようにしています。
とくに仕事となると「約束を守る」「時間を守る」ことには注意を払っても、僕たちはその延長線上にある「相手を喜ばせること」を忘れてしまいがちです。
「仕事なんだから決められたとおりのことを、決められた日までに果たせればいい」。必要最小限のことにとどめておかなければ、搾取され、損をするとでも思っているのでしょうか。こんな態度のまま、ルーティンな毎日で自分をすり減らし、あげくに安っぽい割り切りを身につけてしまったら、いい仕事ができなどころか、最低限の義務すら果たせなくなります。
出典:「松浦弥太郎の仕事術」松浦弥太郎 より
そう、仕事の本質は「相手を喜ばせること」にある。たとえば、後輩や部下と仕事をして何か教えたときにはそれが「彼らの喜びになったか?」。顧客と仕事をして営業したときにはそれが「相手の会社の喜びになったか?」。何か新しい製品を発表したときにはそれが「世間の喜びになったのか?」
きれいごとと言われるかもしれないけど、仕事の本質はそこにあると思う。人の心を動かし、喜ばせることができたのか。結局のところ、仕事なんてそこにしか価値がない、と言い切ってもいいかもしれない。
だから僕はルーティンの仕事をしているときこそ気を付けるようにしている。それは相手を喜ばせているのか?と。(もちろん全然ダメ。ですが。)
人には「孤独」も必要なんだ!
仕事というのが「人を喜ばせる」ことである一方で、僕はひとりになる時間も大事だと思っています。家庭ではずっと妻や子供と一緒・・・で、仕事に行けばいったで、まあいろんなことが起きてくるわけで・・・。
一人でじっくり考える時間が欲しいと
思いませんか?
それを「孤独」と表現するのが正しいかどうかはわかりませんが、松浦さんはこの本の中でこのように述べています。
10日に一度ほど、最低でも半日、誰にも会わない時間をつくること。これは僕にとって欠かせないバランス調整です。人はたいてい、人にまみれて生きています。仕事でも暮らしでも他者とのコミュニケーションなしに成立するものはありません。それは楽しみでもあり、かけがえのないことですが、人に振り回されることでもあります。~中略~その絶え間ない流れに身を置いていると、いつの間にか自分の立ち位置がわからなくなり、自分がどこへ行きたいかを見失ったりします。~人との関係もそれに似て、一人の時間を確保してこそ、存分に人とかかわれると僕は思います。尊敬できる人、刺激をくれる人が多ければ多いほど、誰からも影響されない”素の自分”を保つことも重要になってくるのではないでしょうか。
出典:「松浦弥太郎の仕事術」松浦弥太郎 より
そう、「人はたいてい人にまみれて生きている」のです。これはなかなかいい言葉。まさに”まみれて”というは実感にとても近い。他者とコミュニケーションをとりながら仕事をしたり、生活を営んだりというのはとても素晴らしいことなのだけど、やっぱりそれ一辺倒だと・・・
疲れますよね。
そうしたときに大切なのが「一人になる時間」ではないでしょうか。僕は、この松浦さんの書いていることはすごくよくわかります。家族の時間や仕事の時間は大切にしたい・・・。でも、それだけでなく、一人の時間も大切にしたい。
以前妻にそう話したとき「あんた贅沢なんじゃない?」と一蹴された覚えがあるけど、別に贅沢じゃないですよね?いや、贅沢かもしれないけど必要なことかなーと僕は思うのだけど。。。
結果で「一喜一憂する」のはやめたほうがいい
そして日々の仕事について。
僕は特にそうなのだけど、仕事についてはかなり一喜一憂していました。ちょっといいことがあっただけで「おれってすげえーー」となるし、他人から見たら大した失敗でもないので、ミスをすると「おれ、死んだほうがいいのでは・・・」みたいな。かなり極端な振れ幅です。
そんないたらない私に対してではないけど、
松浦さんの言葉。
キャリアについて考えたとき、目標があってそれをひたすら追求していくイメージを抱く人もいるかもしれません。しかし肝心なのはたどり着くまでの道のり、すなわちプロセスにあります。もしも自分に強い思いがあるなら、結果で一喜一憂する癖は早めに捨てたほうがいいのです。仕事の楽しみは面倒くさいと思うところにあります。~中略~ 結果はもちろん大切ですが、基本はプロセスを丁寧にたどっていくこと。この繰り返しこそ成長であり、長い目で見て本物のキャリア構築となります。
出典:「松浦弥太郎の仕事術」松浦弥太郎 より
ちょっと文章が飛躍している感はあるが、ここ大切なことを言っている気がするんです。特に「・・・結果で一喜一憂する癖は早めに捨てたほうがいいのです。仕事の楽しみは面倒くさいと思うところにあります」というくだり。
この文章を読んでから、だいぶ一喜一憂することが減ったように思います。まだ完全ではありませんが。そして「仕事の楽しみは面倒くさいところにある」というのもすごいですよね。結局は自分が仕事をどうとらえるか?ということのような気がします。
まとめ
僕がこの本の中で特に共感した箇所をピックアップさせていただきました。要点をまとめますと・・・
- 生きるということは悩み続けることである。答えを求めるな。
- 仕事の本質は「相手を喜ばせること」
- 人には「孤独」も必要である
- 仕事の結果には一喜一憂しない
- 仕事の楽しみは面倒くさいところにある
仕事をする上で特に大切なのは、2、でしょうか。1.3.4.5は、仕事をする自分に向けての言葉ですが、2は「仕事」そのものをどうとらえるか?という言葉ですもんね。
最後に僕がこの本から一番勇気づけられた文章をご紹介します。
仕事をする中で、僕はたくさんの素敵な大人に出会ってきました。彼らを見ていて、確かに言えることがあります。「勇気のない人は、なりたいものにはなれない」と。自分で原因をつくらない限り、結果を生み出すことはできません。誰かが結果をもたしてくれるのをじっと待っていたのでは、なりたいものになどなれるわけがありません。格好悪くなりましょう。勇気を出して仕事をしましょう。
出典:「松浦弥太郎の仕事術」松浦弥太郎 より
今日はこのへんでおしまい。