『働き方の教科書』/出口治明~人生は喜怒哀楽の総量!?と頷かせるおススメ本
「働き方」の教科書:「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本
- 作者: 出口治明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/09/18
- メディア: 単行本
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日本で初めて生命保険会社のベンチャー企業
ライフネット生命を立ち上げた
出口治明さんが「働き方」について書いた1冊。
出口さん、ご存じない?
とりあえず「出口治明」で検索すると・・・
もちろんWIKIでも出てきました。
(よくご存じない方は、まずはこちらをご覧ください。)
で、この本、
サラリーマンもそうでない人も、
全年代に向け役に立つ本だと僕は思っています。
というのも、
この本では出口さんが、
「人間」についての独自の考えを書いていて、
それが非常に面白いから。
前回は、この本のタイトルどおり
「働き方」について書かれたところを
紹介しましたが、
今日はその「人間論」をご紹介。
「人間チョボチョボ論」とは?
僕・森野は、
人間にはどうしても個人差があって
例えば、ものすごーく頭のいい人には、
何があろうとかなわないし、
仕事の中ですごい発想をする人なんかと
一緒に仕事なんてすることができるのだろうか?
と自分に自信がもてない時期がありました。
そうしたことを思い起こしながら、
この本を読んだのですが、
出口さんはこう言っているんですね。
「人間はみなチョボチョボや」
僕が髙橋和巳や辻邦夫と並んで学生時代に愛読した、作家の小田実の言葉です。
人間はたいして賢い奴もアホな奴もいない。人間の能力にはたいした差はない。この言葉が、とても好きで、今でも機会があれば人に話しています。たしかに、人間の正規分布図を描いてみると、極端に優れた人や極端に劣った人はほとんどいないことがよくわかります。
『「働き方」の教科書』~「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本~ 出口治明著
この後で出口さんは、
ジャマイカの陸上選手、
ウサイン・ボルトを引き合いに出して、
ボルトと一般男性の100m走のタイムを
比較しても2倍はない、
2倍もないということは、
能力的にもそんなに差がないと言えるのではないか、
とおっしゃっています。
出口さんのこの説に賛同するかどうかは
人それぞれかと思うのですが、
僕はこの箇所を読んだとき、
「そう思うように考えてみよう」と
吹っ切れました。
なんというか、
自分がどんな人間なのか、
知りたいと思うがために、
人と比較することって
ついついやってしまうんだけど、
たいがい、あまり意味ないですね。
「人間なんてチョボチョボ」だからこそ、挑戦する
さらにこの人間チョボチョボ論から派生して、
出口さんはこうもおっしゃっています。
人間の能力もチョボチョボ、訪れるチャンスもチョボチョボ、さまざまな偶然もチョボチョボ。そして99パーセントは失敗する。失敗するとわかっていても、1パーセントの可能性をめざしてチャレンジした人がいたからこそ今の世界がある。世界を変えるためには、失敗を恐れずチャレンジすべし。そういうことです。
すでにお話ししたように、僕は死ぬときに公開するのは嫌です。可能な限り、やりたいことにはすべてチャレンジし、その結果は後世の判断に委ねればいいと思っています。みなさんもそういう人生観を持ってはいかがでしょうか。チャレンジすることは何歳になってからでも遅くはありません。
みんなチョボチョボなんだし、
偉業を達成した人なんて
ほとんどいない。
でも、今ある世界は、
そうしたチョボチョボな人たちの中で、
たまたま成功した人たちの
わずかな積み重ねでなっているのだから、
僕たちもやりたいことに挑戦しよう、
そんなメッセージですね。
この章の中で出口さんは、
人生を無駄にすることの一つとして
「人によく思われたいと思う」という項目も
挙げています。
見栄やプライドですよねーー。
これは誰の心の中にもありますが、
(凡人の森野ももちろんこの例にもれません)
この見栄やプライドが邪魔し、
チャレンジすることを妨げてしまう。
でも、人間みなチョボチョボだとおもえば 、
見栄を気にしてもしょうがないですよね。
みな、チョボチョボなんだから。
だったらどうなるかわからないけど、
挑戦しましょうよ、ということです。
僕は思う、”人生は喜怒哀楽の総量だ!”
自分が日々頭の中で考え、
作り上げていった持論ってありますよね。
本を読んでいると、
その持論と同じことが書いてあった!
そんな経験ってありませんか。
「人生は喜怒哀楽の総量」。
僕がずっと思っていたことを
出口さんがズバリと指摘してくれました。
僕が「悔いなし、遺産なし」という考え方を選んだ理由は、人生が楽しいかどうかの判断基準は、「喜怒哀楽の総量」にあると思っているからです。苦しいことや悲しいことに直面したとき、楽しいことや嬉しいことがそれを癒やして人間性を回復させてくれると考える人がほとんどだと思います。でも僕はそうは思いません。苦しいこと、悲しいことは、時間が経てばいい思い出になるからです
そう、人生は、
嬉しいことや楽しいことはもちろん、
辛かったことや 悲しいことも含めた総量、
僕もそう考えています。
プラスの感情、マイナスの感情、
どちらでもいい。
「心を揺り動かされた」体験がどれだけできたのか、
これが悔いのない人生を送るコツかなと思っています。
さらに僕がここで共感したのは、
苦しいこと、悲しいことも
いい思い出になるんだという点です。
(僕が解釈する、ここでの苦しいこととは、
自分のこと、たとえば「仕事が大変」とか「仕事で失敗した」とか。)
以前の苦~い思い出も、
今、思い返してみると、
「あのときは●●で大変だったけど、
そのおかげで今回役に立った、あれはいい経験だったなあ」
っていうこと、
誰でも一つ二つありますよね。
すると、過去の苦い出来事というのは、
時間というフィルターにかけられることで、
いい思い出へと変化することがある。
であれば、ますます
いろんなことを体験したほうが、
人生は豊かになる。
そう僕は思うわけです。
今日はここいらで終わりです。
前回の記事もあわせてごらんいただけると嬉しいです。
こちらは、
ぼくが出口さんを知るきっかけになった
「ほぼ日」のサイト。
こちらもあわせてどうぞ。
ではまたねー。