【おすすめの本】『5年後働く自分の姿が見えますか?』~8人の人生を豊かにする助言~
- 作者: 岩瀬大輔,飯田泰之,古市憲寿,経沢香保子,田端信太郎,加藤嘉一,為末大,駒崎弘樹
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/09/21
- メディア: 新書
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同世代の30代の起業家や学者などが活躍していますねー。
最近よく、そうした人たちがメディアで発言しているのを目にするようになりました。
やっぱり同世代だからか、彼らがどんな発言をしているのか気になるみたいで、
そういう本があるとついつい手に取ってしまう自分がいる。
ということで読んだ本書。
ライフネット生命の代表取締役の岩瀬さんや、社会学者の古市さん、
病児保育のNPOを運営する駒崎さん、元オリンピックハードラーの
為末さん、など8人のおなじみの人たちが1章ずつを担当し、
「5年後働く自分の姿が見えますか?」というテーマで語っています。
新書で230ページほどの薄さ、1日でサクッと読める手軽さですが、
面白かったですよ。目次はこんな感じ。
*会社という看板がなくても通用する人材になれ 岩瀬大輔
*「お勉強」は損をする! 飯田泰之
*読めない将来を考えるより、目の前の楽しいことをやっていく 古市憲寿
*働き方革命を起こし、日本を救え! 駒崎弘樹
*女性も“強み”を持て! 経沢香保子
*目標に向かうプロセスに幸せはある 為末大
*サラリーマンは「損失限定」の宝くじ 田端信太郎
*「今、ここ」に集中しろ! 加藤嘉一
大切なのは、「自分のスタンス」「ものさし」を持つこと。
「キャリア」という大きなテーマでそれぞれが持論を語っているので、
特に統一した結論というのはないのですが、僕が本を読み終わった後感じたのは、
みなさん「”自分のスタンス”について考えろ」と言っているなということ。
一言でいうと「本当にしたいことは何か?」ですね。
ワーキングプアや所得の格差など「働く」ことに関してたくさんの課題はある
今の日本ですが、
ぼくの実感では、「働くことには困らない」「食うに困ることもない」、
それは過去最高に幸せな時代にいると思っています。
働く選択肢も多様化し新しい職種が続々と出て、プロゲーマーという職業まで
あります。なれるかなれないかは別として、なりたい職に就くチャンスは、
限りなくあるというのが今の時代です。
でも一方で、選択肢があり過ぎるがために、「チョイスがうまくいかない」
「何を選んだらいいかわからない」という人も多いのではないかと。
この本はそんな時代の中で「本当にやりたいことは何か?」という根源的な問いかけを
しているように感じます。
8人が人生と絡めながら自分の経験則から語っているので、説得力がありますね。
10代・20代・30代の若手が読めば刺激になりますし、
今の自分の立ち位置を見直すには、
こういう最前線で活躍する人たちと一度照らし合わせて確認する。
こういう作業も定期的にしていきたいものです。
という意味でぜひ読んでみてください。
僕も30代後半で同じ仕事を15年以上続けていますが、
ずっと考えている「やりたいこと」がこの仕事で実現できているのか、
この本を読んで改めて考えています。
「生き方のすすめ」~こんな言葉にグッと来た!~
この本を読んで僕がふせんをつけた、特に気になったところ。
岡本太郎の言葉に「私は人生の岐路に立った時、いつも困難なほうの道を選んできました」という名言があるそうですが、私が皆さんに贈りたいのは、「人生の岐路に立ったら、楽にできるほうの道を選べ」というアドバイスです。
この場合の「楽」とは、苦痛や負担を感じずにやれる、ということです。負担が少ないと感じることは、おそらく自分の適性に合っているのです。逆に習得にものすごく苦痛が伴うのであれば、それはあまり自分には向いていない。
『「お勉強」は損をする!』飯田泰之
確かに「困難な道をあえて選ぶ」という言葉は、
岡本太郎さんの名著「自分の中に毒を持て」の中にありましたよね。
が、飯田さんはむしろ、楽にできる道=自分の得意なこととし、
そっちを選ぶほうが人生楽しく過ごせるはずだと述べています。
そりゃそうだ、と思う一方で「楽にできるほうの道」というのを、
自分の「ものさし」できちんと測ってチョイスする、そこを見つけるまでの
トライ&エラーを人生のなかでどこまでしているか、というのも大事ですよね。
これにあたっている文章としてこんなものもありました。
「そんなことを言っても、人生経験の浅い自分の基準で選んだらミスチョイスをするのでは・・・」という不安があるかもしれません。しかし、自分以外の誰もあなたの人生は担えません。自分の人生の決断は、結局は自分の意志でするしかない。
何を選んだらアタリ、何を選んだらハズレ、といったくじ引きのようなものではなくて、自分が選んだ道を正解にしていく。そのためにベストを尽くす。そのプロセスに意味がある。何を選んでも、自分次第で正解にしていくことができるのです。
「女性も”強み”を持て!」経沢香保子
とてもいい言葉ですね。
僕も物事を決めるとき、すぐに損得勘定が働き結果ばかりを想像してしまいますが、
よーく考えるとそんなことは誰にもわからない。
そんなゼロサムゲームをするのではなく、まずは自分がどこまで努力するか、
その努力次第では、自分では思ってもみない位置にたどり着くことだって
あるはず。そういう意味でもプロセスが大事だと言っているんですね。
トレーニングの世界では、同じトレーニングを繰り返していくと、いつの間にか体が慣れてしまって成長が止まってしまうことが知られている。そのため、変化をつけることが重視される。イメージとしては、縦に積み重ねていくだけでなく、変化をつけることで横にひろげていく感じだ。積み重ねと変化のバランスがいいと、成長の方向に向かっていくことができる。 「目標に向かうプロセスに幸せはある」為末大
陸上のトレーニングからひっぱってきていますが、
自分のメンタルの成長でも、同じことをずっと続けるよりは、いろいろな変化の中に
身を置いたほうがより成長できる、というのはその通りですよね。
僕は個人的にはこのあたりがまだまだ弱いなと。
もう少し紹介したい、いい言葉があったんですが・・・。
ちょっと時間切れになってきましたので続きは次回にさせてください。
ではまたー。